天然化合物の生合成に関わる生合成酵素を,本来の生物とは異なった生物内において発現することで,目的化合物を作ることが可能になっている。本手法を用いれば微量な天然化合物や新規化合物を効率的に生産することも可能である。今回我々は,医薬品としても重要なテトラヒドロカンナビノイドの生合成において鍵中間体の生産に関わる酵素に変異を導入することで,この酵素に新たな化合物を生産する能力を付与することに成功した。本機能改変酵素をテトラヒドロカンナビノイドの生合成に人為的に組み込むことで,テトラヒドロカンナビノイド類似化合物の安価で容易な創出が実現することが期待される。
|