研究課題
独自の方法を用いて探索した血漿中の約18000種類のペプチド(血漿ペプチドライブラリ)の中の約300種類のペプチドについて、各種活性を検討した結果、6種類の生理活性を持つ可能性の高いペプチドを見出した。この中の3種類は1つのタンパク質に由来するものであり、その中の1つは腹腔内投与により食欲を減退させる作用を持ち、残りの2つは、有糸分裂誘発、アポトーシスの抑制、炎症性サイトカインの発現を誘発するものであった。また、残り3つについては安定同位体標識ペプチドをスパイクした血漿からペプチドを抽出し、質量分析計で分析して血中濃度の測定を行い、詳細な活性研究を進めている。ペプチド分析技術の高感度化に関しては、血漿から抽出したペプチドを分画する方法を検討した。その結果、高pH 下での逆相分離と当グループで2014年に開発したcyclic pooling法を組み合わせることによってより効率的で分離能の高いLC-MS分析に適した分画法の確立に成功した。グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)に蛍光標識してnative PAGEで分離し、ゲル上で蛍光標識GIPが存在している部分を切り出してGIPに結合する血漿タンパク質をLC-MS/MS法で解析した。その結果、アルブミン, IgG、トランスフェリンの3種類の蛋白質がGIPに結合している可能性を示した。さらに、このことを3種類のタンパク質単体とGIPを混合した試料に対するウエスターンブロッティングで解析し、それぞれがGIPと複合体を組むことを示した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件)
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