研究課題/領域番号 |
17H02209
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ケミカルバイオロジー
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | タンパク質膜挿入 / タンパク質膜透過 / MPIase / 糖脂質酵素 / YidC / 化学合成 / CdsA / F0F1 ATPase |
研究成果の概要 |
MPIaseはタンパク質膜挿入反応を触媒する糖脂質である。MPIaseの生合成第一段階を触媒するCdsAを同定し、CdsA枯渇によりMPIaseが枯渇し、タンパク質膜挿入・膜透過が強く阻害され、in vivoでもMPIaseが期待した作用を示すことを明らかにした。低温でMPIaseの発現量が増加し、膜挿入・膜透過の低温感受性を抑制していることを明らかにした。MPIaseはYidCと協働して膜挿入反応を触媒することを示した。化学合成MPIase誘導体を調製し、MPIaseの糖鎖のアセチル基が膜挿入に重要であること、膜タンパク質の可溶化には十分な糖鎖長とリン酸基が必要であることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
生化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が同定したMPIaseは、糖脂質であるにもかかわらずタンパク質膜挿入反応を触媒するため、「糖脂質酵素」という概念を提唱した。本研究ではこの概念を実証した。このことは、糖脂質の新規の機能の実証であり、糖脂質生物学に新たな概念をもたらすものである。タンパク質膜挿入・膜透過に関しては多くの研究グループによって再構成系が開発され報告されている。しかし、これらは必ずしも細胞内の反応を再現できているわけではなく、多くの矛盾点をはらんでいた。我々は細胞内の反応を忠実に再現した再構成系を構築してMPIaseの発見に至っただけでなく、MPIaseを加味して再度解析を進めると、すべての矛盾点が解決した。
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