研究実績の概要 |
アストロサイトは、脳の情報処理にとって神経細胞に勝るとも劣らない重要な細胞であることが認識されてきた。さらに、脳部位により形態・細胞内カルシウム緩衝能力・pH感受性など異なった特徴を持つサブタイプに分かれることが知られている。しかし、神経細胞に比べアストロサイトの多様性がどのように脳高次機能に関与するかは不明である。本研究では、大脳基底核に着目し、最新の光遺伝学と遺伝子改変技術を駆使し、直接路と連関するアストロサイト及び間接路と連関するアストロサイトの形態学的・分子生物学的違いやそれらの活性化が運動機能に及ぼす影響を個体レベルで明らかにする。本年度は、 1. D1R-AsおよびD2R-As特異的マーカー遺伝子の妥当性の検証を行った。 平成29年度に同定したD1R-As特異的マーカー遺伝子(D1R-AsM)とD2R-As特異的マーカー遺伝子(D2R-AsM)に蛍光Ca2+センサーGCaMP7をノックインしたマウスを作成した(D1R-AsM-GCaMP7とD2R-AsM-GCaMP7マウス)。作成したD1R-AsM-GCaMP7マウス・D2R-AsM-GCaMP7マウスをD1R-tTAマウス・D2R-tTAマウスと交配し、D1R-tTA/D1R-AsM-GCaMP7, D2R-tTA/D2R-AsM-GCaMP7, D2R-tTA/D1R-AsM-GCaMP7, D1R-tTA/D2R-AsM-GCaMP7マウスを作成した。 2.D1R-AsとD2R-Asを特異的に活性化し、運動機能における影響を解明 平成29年度に同定したD1R-As特異的マーカー遺伝子(D1R-AsM)とD2R-As特異的マーカー遺伝子(D2R-AsM)にCre酵素をノックインしたマウスを作成した(D1R-AsM-CreとD2R-AsM-Creマウス)。
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