研究課題/領域番号 |
17H02222
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
徳田 崇 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (50314539)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ブレイン・マシン・インターフェース / BMI / CMOS / オプトジェネティクス / バイオチップ / バイオエレクトロニクス / 光刺激 |
研究実績の概要 |
フレキシブルな光・電気マルチモーダルブレイン・マシン・インターフェースデバイス技術開発において、2018年度は光刺激機能について重点的なデバイス開発を行った。フレキシブル基板上に多数のLEDを実装したフレキシブル多点光刺激デバイスを試作した。LEDをグループごとに駆動するシステムも構築し、神経光刺激に必要な強度(10mW/mm2以上)が得られることを確認した。当該デバイスについては別のプロジェクトへの技術供与を行い、げっ歯類等による動物実験において機能実証に成功した。 またデバイス上に多数搭載するCMOSチップの駆動方式として光による電力伝送技術について検討した。これによりデバイスの配線数を減らすことが可能となり、また将来的には自立駆動型分散型システムの実現につながると期待される。CMOS集積回路制御によって体外から経皮的に赤外線を照射し、CMOSチップ上、あるいは外部デバイスによって構成した直列光起電力セルで発電した電力を蓄積することで、限られたエネルギー供給量でも十分な電圧の確保と回路およびLEDの駆動が可能となることを実証した。 さらに、本研究の重要な要素である光・電気同軸ハイブリッド電極についての基礎検討を行った。2018年度に得られた知見をもとに、2019年度には同軸ハイブリッド電極構造の完成を目指す。 2017年度および2018年度の研究開発により、本研究が実現を目指す光と電気の両方で脳などを刺激できる生体埋め込み型フレキシブルMBIデバイスの試作・評価のための要素技術を開発したといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初より想定していた光・電気マルチモーダルフレキシブルBMIデバイス技術の研究開発を進めており、2019年度におけるデバイスの試作・評価を期待できるため。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、2017年度および2018年度に開発した基礎技術を集約した、光電気マルチモーダルBMIデバイスの試作・評価を行う。所属機関変更に伴う装置類の移動に対処するため、年度前半はCMOS集積回路および基板設計を中心に実施し、年度後半に実装・評価を進める予定である。
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