研究課題
本研究では、人間環境学・経済地理学・質量分析学の研究者が専門性を超えて協働し、濃厚な現地の人脈・資源を活かしながら最先端科学による文理融合研究を展開し、これまで国際的にもなし得なかった課題解決を展望するものである。中国における大気汚染の特徴は、越境汚染のみならず、原因が多様で複合的なことである。この背景には、現代中国を取り巻く経済・政治・社会の構造的要因があると指摘されているものの、事例調査が大いに不足している状況にある。本研究では、中国の重点汚染地域である「京津冀地域」「長江デルタ」「珠江デルタ」を中心に、それぞれの経済成長の過程で形成された地域経済圏を取り巻く政治経済,グローバル経済との関係、さらには地域社会がどのように享受しているかという側面からPM2.5汚染問題を包括的に検討している。本年度は、3つの重点汚染地域について、それぞれの特徴が明らかにすることができた。大気汚染が最も深刻な「京津冀地域」は、西南部地域から生成された汚染物質は気流と共に北部に移動する傾向があり、厳格な環境規制が取られてながらも、いまだ大気汚染の根源的な改善されない問題にもつながることが明らかとなった。他方で、2018年に重点汚染地域から他よりいち早く脱出した珠江デルタにある広東省広州市においては、自動車関連政策は有効に機能していたが、限界性もある一方で、電気自動車の急速な普及、公共交通の発展等により、人々がそれぞれの生活の向上を維持しながらも積極的に環境問題に対応している姿が見えてきた。また、様々な地域を対象としてリスク認知に関する大規模質問紙調査を行った結果、因子分析やクラスター分析を実施した結果、幾つかのグループに類型化され、知識の差異により段階的に分類される傾向が見られた。一方で、来日の影響は、中国での経験が回顧される特性を持つことが明らかとなった。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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