研究課題/領域番号 |
17H02238
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
土屋 由香 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (90263631)
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研究分担者 |
小林 聡明 日本大学, 法学部, 准教授 (00514499)
隅田 学 愛媛大学, 教育学部, 教授 (50315347)
川島 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90301861)
三澤 真美恵 日本大学, 文理学部, 教授 (90386706) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 冷戦 / 科学技術 / 東アジア / 原子力 / 広報外交 / 文化外交 / 学知 |
研究実績の概要 |
プロジェクト1年目である2017年度は、まず5月21日に京都大学にて第1回研究会を開催し、科研ウェブサイトの構築や年間スケジュール、各分担研究の内容などについて話し合った。その結果、中間報告的な内容を10月のアジア政経学会(富山大学)で発表すべく分科会の企画を応募することになり、それを当面の目標として研究を進めることになった。その後、アジア政経学会への応募が採択され、10月に土屋・川島・小林の3名がパネルを組み発表を行った。東アジアにおける冷戦期の学知の生成と変容という視点から、討論者や会場と意見交換を行い、今後の研究に大いに資する成果を得た。 夏期休業および冬期休業期間中には、各自、二次文献を集めて既存研究の現状と課題を精査するとともに、それぞれの担当地域(中国、台湾、韓国、アメリカ、日本)の公文書館等で一次史料の収集を行った。 本科研申請時には、2年目に台湾および韓国で現地の研究協力者とともに研究会を開催する予定であったが、台湾での研究会を前倒しで1月29日に国立政治大学(台北)にて開催した。参加者は日本側からは土屋・川島・小林、台湾側からは国立政治大学新聞学科のLan Shichi副教授、国立中山大学社会学系のWang Mei-Hsiang助理教授、国立政治大学国家発展研究所のLiu Hsiopong副教授らであった。台湾における冷戦期の広報外交にかんする研究の現状と課題について情報収集するとともに、科研テーマに関する国際ネットワークを築くことができた。本来は3月に京都大学で開催する予定であった第2回研究会は、この台湾での研究会の際に併せて今年度の総括と来年度の計画などについて話し合った。 また科研ウェブサイトを立ち上げ、随時更新している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.研究分担者3名で国内学会の分科会企画を立てて採択され、パネル発表を行った。 2.当初の計画(2年目に実施する予定)を前倒しして、台湾にて研究協力者たちと国際研究集会を開催した。 3.当初の予定通り、国内外の資料収集を進めた。 4.科研ウェブサイトを立ち上げ、随時更新している。 5.論文・書籍などのは、1年目でまだそれほど多くはないものの、学会発表や資料収集、また国際ネットワーキングの面では大いに成果を上げ、全体としては十分に初年度の目標を達成したと考える。
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今後の研究の推進方策 |
1.2018年7月14日に京都大学にて、アメリカと韓国の研究者を招き、「東アジアにおける科学技術と冷戦」をテーマとする国際ワークショップを開催する。その際に招聘研究者も含めて本科研の今後の方向性や最終成果に向けた道筋などについても話し合う。 2.本科研申請時の予定通り、韓国の研究協力者とソウルにて研究会を開催するべく先方の研究者たちと連絡を取り、2019年1月の開催を計画中である。 3.2017年度に前倒しで開催した台湾の研究会でネットワークを築いた海外研究協力者たちとは、その後もメールなどのやり取りを通して連携を深める。 4.2年目も引き続き中国、台湾、韓国、アメリカ、日本での一次史料収集を続けるとともに、国際学会へのパネル応募を検討する。 5.異なる国や地域について各分担者・協力者が進めている研究について、共通の課題や視角などについてすり合わせを行う。例えば広報外交研究における東アジアの特殊性と普遍性、学知形成と広報文化外交との相互関係などである。
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