研究課題/領域番号 |
17H02240
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
前田 しほ 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 准教授 (70455616)
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研究分担者 |
高山 陽子 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (20447147)
喜多 恵美子 大谷大学, 文学部, 教授 (30410971)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 社会主義 / 文化 / 表象 / 政治 / 革命 / 抗日パルチザン |
研究実績の概要 |
本研究課題は、北東アジア地域において、近代化モデルとしての社会主義が文化としていかに発達したのかという観点から、DPRKに注目し、①公的プロパガンダの観察・資料収集・文化コード解読、②ソ連・中国からの近代化モデルの輸入と現地化の調査・分析・検討、③植民地期における日本から朝鮮半島への社会主義イデオロギー・芸術流入のプロセスの調査・分析・検討、④他の社会主義国家との比較・分析の4点を主要課題とする。当初の計画では、5年間の研究期間のうち、初年度は研究基盤構築、2年目3年目は調査実施・分析、4年目に研究の統合・体系化、5年目に研究成果公開と位置づけている。 二年目である2018年度は、現地調査に重点を置き、中国、韓国、ロシア、そして他費ないし私費でDPRK調査を行った。また地域比較のため、キューバ、旧ソ連(エストニア、リトアニア、ラトビア、タジキスタン、キルギス、アゼルバイジャン)を行った。 2月には大谷大学で第三回研究発表会・調査報告会・研究打ち合わせを開催した。研究発表会は、文学・映画セッション、音楽・舞台芸術セッションの二つのセッションに分け、それぞれ北東アジア、中欧の社会主義文化、日本における社会主義文化の受容の三つの観点から、研究メンバー1名、外部7名が論考を発表し、フロアからも質疑や意見がでて、活発な議論が行われた。研究分野・研究対象国が異なる研究者間での情報共有、議論は、有意義であったと考えている。調査報告会・研究打ち合わせでは、当該年度の調査の状況を報告し、次年度以降の研究の方向性を話し合った。 有望な若手研究者を3名研究協力者として迎え、研究活動支援を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
二年目の2018年度は、初年度の研究基盤の構築と予備調査を受けて、本格的な調査活動に入った。北東アジア地域及び旧・現社会主義圏を精力的に調査し、この目的は達成することができたと考えている。DPRKについても複数のメンバーが現地調査を実施した。複数の研究者による共同調査も引き続き実施し、知見の共有や意見交換を図った。これらの現地調査については、メンバー内の集まりで報告会を開き、知見を共有するように努めている。 また、科研メンバーだけでなく、DPRK、ソ連、中国、ポーランドなど社会主義圏を研究対象とする外部の専門家を招いての研究発表会を開催し、研究対象国・分野を超えて有意義な情報共有や意見公開を行うことができた。コミュニティを異にする研究者同士の顔つなぎの場ともなり、今後の研究協力体制の一層充実した構築を期待することができる。 メンバー全員での研究打ち合わせを行い、共同研究の態勢を確認し、次年度以降の研究活動についても意見交換を行った。 若手研究者に対する海外調査の旅費支援や研究発表の場の提供を行い、後進の育成に努めた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度も引き続き現地調査を重点的に行う。中国、ドイツ、ロシアを含む旧ソ連、DPRK(私費ないし他費)で調査を行う。 調査の実績が進んでいるので、分析・考察に取り掛かり、国内外での発表を行い、助言を得て、論考をブラッシュアップする。 引き続き研究協力者として若手研究者の活動支援を行い、国内での研究会参加や資料収集を支援する。 年度内に研究チーム内で、これまでの活動をまとめ、研究発表会を行い、今後の方向性を話し合う。また、海外から専門家を招聘し、ワークショップ等の企画ができないか調整している。
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