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2019 年度 研究成果報告書

隣接国家の「辺境」から見る海境ー豪北部海域の領域化と境域のダイナミズム

研究課題

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研究課題/領域番号 17H02241
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 地域研究
研究機関名古屋商科大学

研究代表者

鎌田 真弓  名古屋商科大学, 国際学部, 教授 (20259344)

研究分担者 村上 雄一  福島大学, 行政政策学類, 教授 (10302316)
長津 一史  東洋大学, 社会学部, 教授 (20324676)
加藤 めぐみ  明星大学, 人文学部, 教授 (30247168)
飯笹 佐代子  青山学院大学, 総合文化政策学部, 教授 (30534408)
内海 愛子  大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70203560)
間瀬 朋子  南山大学, 外国語学部, 准教授 (80751099)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード境域 / オーストラリア / インドネシア / パプア / 越境 / 海民 / ボートピープル / 真珠貝・ナマコ・フカヒレ
研究成果の概要

本研究では、生活圏としての「伝統的」境界・国家の領域化に伴う境界・脱領域的な「機能的境界」など、豪北部海域での「海境」の生成過程と緊張関係を詳察し、浸透性を異にする境界が重層的に形成する境域の実相を明らかにした。当該境域で生業活動を営んできた社会集団は、生業を変化させて移動・越境を伴った生存戦略を展開してきた。彼らの国家に対する帰属/対抗意識は希薄で、社会的境界も柔軟に変化させている。他方、出稼ぎ労働者としての越境集団は、出身地の地縁や血縁を維持し、「他者」として現地に適応してきた。近年の「密航」による庇護申請者は「危険な他者」とされつつも、受容社会への帰属を進める対抗言説も生まれている。

自由記述の分野

オーストラリア研究

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の学術的意義は、海民・漁民といった当該海域を伝統的な生活圏とする人びとや、出稼ぎ労働者や庇護申請者などの主体的な越境行動に着目して、異なる透過性を有する境界の生成過程や実相を明らかにしたことにある。さらに、当該境域での越境移動の動態を歴史的・政治経済的文脈において詳察するにあたって、史資料の収集と分析や当事者への聞き取り調査に加えて、個人の記録の収集と復元に努め公開した。国家主権の発動形態としてのみならず、越境者という当事者の視点から、多元的な境界が偏在する境域の動態を検証した本研究は、近年焦眉の問題として認識される海上国境のあり様を検討する上で、新たな視座を提示する試みである。

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公開日: 2021-02-19  

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