研究課題/領域番号 |
17H02264
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研究機関 | 石川県立看護大学 |
研究代表者 |
浅見 洋 石川県立看護大学, 看護学部, 特任教授 (00132598)
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研究分担者 |
上原 麻有子 京都大学, 文学研究科, 教授 (40465373)
美濃部 仁 明治大学, 国際日本学部, 専任教授 (50328960)
秋富 克哉 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (80263169)
森 雅秀 金沢大学, 人間科学系, 教授 (90230078)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 西田幾多郎 / 未公開ノート類 / 研究資料化 / 水損資料の修復 / 翻刻 / 全集別巻 |
研究実績の概要 |
本研究で修復された未公開ノート類のレプリカを活用して、2020年3月から石川県西田幾多郎記念哲学館で企画展示「発見!! 幾多郎ノート」を開催している(2020年9月まで)。 一次翻刻(文字お越し)はこれまでと同様、京都大学、金沢大学に業務委託して実施した。金沢大学ではノート3冊(H01、02、04)レポート類17部(K群、I群)、京都大学ではノート2冊(D04、05)、レポート類40部(L群の重要と考えられる資料)実施した。 二次翻刻は2019年7月までに翻刻ソフトSmart-GSを利用して「倫理学講義ノート」4冊と「宗教学講義ノート」4冊、計8冊をほぼ完了し、10月までに「岩波所蔵複写資料」の一部(「倫理学講義ノート」分冊5)を加えてWord原稿を作成した。その後、新版『西田幾多郎全集 別巻』(岩波書店)の出版原稿を作成するために本研究組織の分担研究者、協力研究者を交えて原稿の確認、校正を行い、2020年1月には岩波書店に入稿した。2020年6月現在、岩波書店と校正、編集作業を実施している。コロナウイルス感染防止対策で作業が若干ベースダウンしたが、2020年9月には別巻を刊行予定である。 また、二次翻刻として新たに講義ノート「論理学」(A08)とドイツ文学講義関連ノート(D01)、聴講ノート「印度哲学 村上講師」(A04)が継続中であり、聴講ノートの4半分は 『「西田幾多郎ノート類 研究資料化」報告3 2019』(能登印刷株式会社出版部、2019年3月31日発行)に掲載されている。また、報告3では3編の研究報告、9編の寄稿を掲載している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水損資料である「西田幾多郎未公開ノート類」の修復は2018年度末で完了し、翻刻作業は1次翻刻が目標の70%、2次翻刻が50%程度まで終わっている。また、翻刻を終えたノート類の研究資料化の報告はこれまで3回の『「西田幾多郎ノート類 研究資料化」報告』(能登印刷株式会社出版部)で行ってきたが、2020年度中には「倫理学講義ノート」「宗教学講義ノート」を『西田幾多郎全集 別巻』刊行し、それによって本研究の目的はほぼ達成される。 「哲学形成過程の研究」はこれまで『報告』や学会報告で行ってきたが、全集別巻の「解題」では詳細に行う。また、刊行される別巻は、西田哲学の形成と展開に関する研究、日本哲学史研究の基礎資料となるように編集している。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度中は本研究の到達目標である『西田幾多郎全集別巻』の刊行(9月)とともに、進行中の1次翻刻、2次翻刻を可能な限り推進すると同時に、資料化されたノートが西田哲学形成史、日本哲学史上もつ意義について研究を進める。 さらに、本研究課題は2020年度が最終年度であるため、2021年度から現在の「西田幾多郎未公開ノート類史料」に、この研究遂行途上で見つかった新たな未公開資料を加えて研究対象、内容を加えて、研究を展開、再構成する基盤としたい。
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