研究課題/領域番号 |
17H02294
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 裕成 大阪大学, 文学研究科, 教授 (00243741)
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研究分担者 |
松原 典子 上智大学, 外国語学部, 教授 (10338428)
川瀬 佑介 独立行政法人国立美術館国立西洋美術館, 学芸課, 主任研究員 (40635124)
伊藤 喜彦 東海大学, 工学部, 准教授 (40727187)
久米 順子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (60570645)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | スペイン |
研究実績の概要 |
1492年に達成された国土再征服と、新大陸航路の発見という二つの重大事を象徴的な契機として、ヨーロッパの周縁に位置したスぺインは、16 世紀を通して広大な帝国を構築する。その帝国は、アイデンティティを異にする様々な人びとを統合する文化の交通空間であり、そこでは、多様な図像文化や造形様式、技法・ 素材が、時に起源の差異を超えて組み合わされ、あるいは、本来とは異なる意味のもとに解釈・転用された。本研究は、スぺインを中心とするイスパニア世界に成立した、その「境界的」な美術の諸相を、歴史的な経緯と地理的広がりの両面から体系的に明らかにする。本年度は計画の初年度として次のような研究課題に 取り組んだ。 1)国際研究ワークショップ: 2018年12月8日に上智大学において、中世スペインにおけるイスラム文化との交渉を中心に、その文化的多様性の研究において顕著な業績をあげるマリア・フェリシアーノ氏を招き、"Art History at the Crossroads: From Medieval Islamic Spain to the New World" と題する国際研究ワークショップを開催した。本科研研究分担者のほか、関連分野の研究者の参加も得て、帝国スペインの美術の交通に関する大きな成果を得た。 2)国内研究会: 分担者全員が集合する研究会を、7月21日と2月27日に、それぞれ上智大学と国立西洋美術館において開催した。各分担者から各個研究のテーマについてそれぞれ報告を受け、問題意識の共有を図った。中世末におけるイスラム建築の転用の実態、モーロ人を打ち倒す聖ヤコブの図像、16世紀スぺイン宮廷における国際的交渉の検討、モラーレスの絵画作品おける「スぺイン的なもの」の形成の過程、なとどの方向性に沿って、具体的な課題を明確にした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は計画通り、中世スペインにおけるイスラム文化との交渉を中心に、その文化的多様性の研究において顕著な業績をあげるマリア・フェリシアーノを招聘した国際研究ワークショップ"Art History at the Crossroads: From Medieval Islamic Spain to the New World" を開催し、国内外の関連研究者多数の参加も得て大きな学術的成果を挙げることができた。また2回にわたり開催した国内分担者の研究会では、各個研究について順調な進展がみられた。分担者の海外調査については、予定通り2名がスぺインにおいて実地調査をおこない、所期の目的に沿った成果を得た。また、新年度に向けては海外共同研究者の招聘と関連する研究行事についての準備が順調にするんでいる。 以上の点から、研究計画はおおむね順調に進展しているものと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
当面は分担者が順次、海外での実地調査を重ねつつ、各個研究の資料収集を行う。2019年度は分担者・伊藤喜彦が、キューバなどに出張の予定。その成果は、関連分野のゲストも交えた研究会において共有、深化させる。今年度も2回の国内分担者研究会を開催の予定。 同時に、2018年度はエル・グレコの研究者として近年目覚ましい成果を挙げているソウル大学教授パク・ジョンホン氏を招聘し講演会、ワークショップを開催する。これらを通し て、国内分担者の研究上の視野を拡大するとともに、その成果は最終的な成果出版に収録の予定である。
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