研究課題/領域番号 |
17H02309
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長谷川 千尋 京都大学, 人間・環境学研究科, 准教授 (90431296)
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研究分担者 |
大谷 雅夫 京都大学, 文学研究科, 名誉教授 (80152172)
大谷 俊太 京都女子大学, 文学部, 教授 (60185296)
金光 桂子 京都大学, 文学研究科, 教授 (30326243)
河村 瑛子 京都大学, 文学研究科, 助教 (80781947)
楊 昆鵬 武蔵野大学, 文学部, 准教授 (60712180)
竹島 一希 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (10733991)
中村 健史 神戸学院大学, 人文学部, 准教授 (50753505)
大山 和哉 同志社大学, 文学部, 助教 (50803087)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 和漢聯句 |
研究実績の概要 |
本課題では、京都、曼殊院に蔵される和漢聯句作品の翻刻集を公刊し、特に重要な作品については訳注を発表することを目的としている。翻刻にあたっては、和句には濁点を付す方針であるため、作品の正確な読みが前提となる。漢句もまた、漢字の判読が難解であり、異体字や誤字をも含むため、翻刻作業は容易ではない。課題遂行のためには、輪読と翻刻の両輪で進めることが不可欠である。 輪読会は月例で開催し、曼殊院蔵和漢聯句作品の中から、文明11年閏9月4日和漢百韻、文明17年4月7日和漢百韻、文明17年9月7日和漢百韻の3点の評釈を試みた。その結果、輪読担当者の発表と議論の成果を踏まえて、翻刻原稿の修正を行うことができた。 また、本課題による研究成果の一部として発表された、大山和哉・川崎美穏・河村瑛子・中村健史・野澤真樹「慶長五年十二月二十日和漢聯句訳注」(上)(下)(『京都大学国文学論叢』第37号、2017年3月/第39号、2018年4月所収)の合評会も行った。 他方、昨年度3月から本年度9月にかけて、曼殊院蔵和漢聯句作品全点(百韻47巻、千句4巻)について、写真複製に基づく翻刻作業を分担して実施した。10月からは、集まった翻刻原稿について、押韻字の確認を含めた点検作業に入り、3月初旬までに分担して作業を終えた。点検の結果、原稿の修正点が少なからず見られたため、担当者を変えて2回目の点検作業を行うよう、3月下旬に依頼を行ったところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
輪読会において輪読を終えた作品はようやく3点を数えるに過ぎなかったが、ある程度詳細な注釈を施さなければ作品を解読できないため、進度としては妥当であったと言える。既発表の訳注の点検も、今後のために必要な作業であった。 資料の翻刻作業は予定通りに進んだが、点検作業が1回では不十分と判断されたため、2回目を実施することとした。しかし、これも当初想定していた範囲内の実施状況である。従って、当初計画以上とまでは言えないが、概ね計画通りに進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は研究計画の2年目にあたり、具体的な作業の本格的な実施が始まった。その結果、代表者、分担者、協力者の三者による研究推進力についてある程度把握することができた。現状において当初計画は妥当なものであり、今後も計画に沿って進めてゆきたい。
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