研究課題/領域番号 |
17H02315
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
坪井 秀人 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90197757)
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研究分担者 |
北原 恵 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30340904)
川口 隆行 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (30512579)
溝渕 園子 広島大学, 文学研究科, 教授 (40332861)
平田 由美 大阪大学, 文学研究科, 教授 (60153326)
石川 巧 立教大学, 文学部, 教授 (60253176)
宋 恵媛 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60791267)
渡辺 直紀 武蔵大学, 人文学部, 教授 (80409367)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 難民 / 抑留 / シベリア / 引揚 / 舞鶴 |
研究実績の概要 |
本研究は1930ー50年代北東アジアにおける〈難民〉化した日本人および韓国朝鮮人など東アジアの人々の文化活動について「理論研究」「文化活動研究」「比較研究」の3部門から研究を行っている。 2年目の2018年度は「理論研究」と「比較研究」については研究会を開いてシベリア調査と連動させるべく、シベリア抑留者によって発行されていた日本語新聞『日本新聞』を分担して通読、『シベリア抑留 米ソ関係の中での変容』の著者である小林昭菜氏をお呼びして講演会を行い、シベリア抑留問題に関して研究会メンバーの知識の共有を行った。すでに前年度2018年1月に行った研究会で研究分担者の川口隆行が自ら編集した川口隆行 四國五郎『わが青春の記録』についての報告を行っていて、今回の研究会はそれを引き継ぎ、原資料にじかにあたって抑留問題について議論が出来たことは収穫であった。 「文化活動研究」の中心は海外調査で、本年度はもともと翌年度に予定していたシベリア調査を前倒しで9月に行った。ハバロフスクとイルクーツクを訪問し、ハバロフスクでは抑留経験者の田中猛氏の全面的な協力によって『日本新聞』編集印刷跡地などの場所を調査するとともに、田中氏自身からも詳細な聞き取り調査を行うことが出来た。イルクーツクではイルクーツク州立大学との日露国際学術ワークショップを開催し、シベリア日本人捕虜の研究者クズネツォフ教授と川口隆行が報告を行った。1月には舞鶴の引揚記念館を研究会メンバーの一部で訪ね、上記小林昭菜さんが主宰したシンポジウムに参加するとともに同記念館が所蔵する資料を倉庫の中に特別に入れさせていただいて閲覧した。 2月には2日にわたって広島大学で研究会を開催、前年度から繰り越した旧満州および韓国安山の調査について総括し、シベリア抑留者支援・記録センターの代表世話人である有光健氏を招いて講演会を開いた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究費を繰越して、2年目の2018年度にも旧満洲国の調査分析と韓国のサハリン残留韓国朝鮮人の調査を行ったことで、時間はかかったが、計画通りまたはそれ以上に研究は進展している。また3年目に行う予定だったシベリア抑留調査を行うことで研究会のまとめをどう行うか、将来の研究計画にどうつなげるかということについても検討するための材料を収集することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
シベリア抑留問題の研究調査および韓国での調査は2019年度に予定しているサハリンの調査の内容において深く関わる。サハリンという土地には、シベリア抑留、残留朝鮮韓国人問題、そして旧満洲国留用者との比較などが複合的に関わるので、研究会を開いて知識の共有と議論の進展を図り、調査が有益なものになるように計画したい。
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