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2018 年度 実績報告書

現代インドの英語文学:インド社会の変容とグローバル化のはざまで

研究課題

研究課題/領域番号 17H02318
研究機関熊本県立大学

研究代表者

難波 美和子  熊本県立大学, 文学部, 准教授 (50336971)

研究分担者 森本 素世子  東海学園大学, 心理学部, 教授 (70191046)
小松 久恵  追手門学院大学, 国際教養学部, 講師 (80552306)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードインドの文学 / 英語文学
研究実績の概要

2017年度の研究事業を2018年度に繰り延べ、2年分を合わせて実施した。2017年度分の事業として、10月にDevalina Mookerjee氏、2018年度の事業として11月から12月にかけてAlpana Mishra氏を招聘し、研究交流並びに一般向け講演会を行った。招聘の準備として、2017年度事業費により9月に訪印し、招聘者2名との打ち合わせを行った。
2名の招聘の目的は、「現代インドの英語文学」を理解するために、インドの出版状況や文学に対する考え方、ネイティブ言語による文学の状況を知ることである。また、インドの文学について、日本での理解を進めることも目指した。
Mookerjee氏は10月21日茨木市にて「インド社会と村上春樹」、24日に横浜市にて「タゴールから村上春樹へ」というタイトルで一般向け講演を行った。インドの出版状況や文学について、理解が得られたと考える。併せて、研究者との交流も行い、現代インドの文学について理解を深めた。
Mishra氏は11月24日に茨木市で「今、インドで女性として書くこと」と題した講演、11月28日に東京で「現代インドで女性として書くこと アルパナー・ミシュラさんとの対話」と題して講演と中村和恵氏・都甲幸治氏との文学をめぐるワークショップを行った。最後に12月1日、熊本で伊藤比呂美氏と「現代インドの文学を語る」というイベントを行った。これらの講演会を通じて、ヒンディー語文学についての知見を紹介できたと考える。このことは、インドの文学としての英語文学を考える参考となる。また、一般向けの公開講演以外でも文学研究者との交流を行い、日本におけるインド文学の理解を勧めたと考える。
招聘者との交流を通じた現代インドの文学に対する理解を進めると同時に、引き続きインドの英語文学の収集を進め、英語文学の多様化を中心に分析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2018年度においては、2017年度分と合わせて招へい事業を実施した。一般向けの講演会では好意的な評価を得たのみならず、南アジア研究者や、日本の作家・批評家とも交流を行い、インドの文学に理解に資することができた。
資料収集も進んでおり、現地調査等を通じて出版状況に対する理解も進んだ。しかし、2018年度には招へい事業に多くの時間を取られ、必ずしもインドの英語文学の現状について、作品に即した理解・分析が進められたとは言えない。今後も英語文学の多様化と深化について考察を進めていく。

今後の研究の推進方策

2018年度に行った研究事業の成果により、出版状況やネイティブ言語との関係性について、明らかになった部分がある。今後は、これまでの成果を踏まえ、現代インドの英語文学の置かれた状況と作品についての理解を深めていく。
2019年度には、英語文学の背景として、インドにおける英語文学教育の歴史と現状について理解し、現代インドにおいて英語文学のもつ意義や認識を検討していきたい。かつてインドでは英文学教育はイギリス文学史を中心としたものであったと考えられているが、近年では、それだけではなく、インドの英語文学の重要性も理解され、教えられているとされる。その変化がどのように起こり、現代の多様な英語文学が大学教育の中で位置づけられているかを知ることは、日本の英文学教育との比較からも興味深い点であろう。2019年10月に開催される日本英文学会九州支部大会において、インドにおいて英文学教育に携わる研究者を招き、日本の英文学研究者との対話を通じて、インドの英語文学教育の現状を考える。この交流を通じて、イギリス文学の周辺領域としてではない、インドの英語文学の姿を明らかにする。
引き続き、資料収集を行い、インドの英語文学の実像の理解に努める。

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公開日: 2019-12-27  

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