今年度の研究計画にそい、A東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所が所蔵するアイヌ語現地調査の音声資料の内容確認とディジタル化を進めた。Bそれらの資料の一部について文字化・日本語訳を行った(G参照)。Cノート・カード・草稿類の内容確認を進め、昨年度までに引き続いて資料のディジタル画像化を行った。D音声・映像資料と文書資料類、既刊の業績などとの関連性の分析を進め、ほぼすべての音声・映像資料の複製関係を整理・把握するとともに、音声資料と調査ノート類の関係の把握を進めた。E新型コロナウィルスの感染状況を鑑みて話者の遺族との新たな面会は行わなかった。Gに述べる今年度の資料公開はすでに得られた許諾に基づいて進めた。F東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の共同利用・共同研究課題「アイヌ語現地調査資料のアーカイブズ構築にかんする学際的研究(2)」に協力し、とくに記録された調査データの内容と意義について、音声資料と文書資料との関連づけについて、音声資料の公開の目的と方法について、および研究者の残した資料に基づくアイヌ語研究史の構築にかんする問題について、検討を行った。G同研究所情報資源利用研究センターのWWWサービス上で「アイヌ語音声資料の文字化テキスト対応づけと公開」としてAとBの作業の成果の一部約76分ぶん(「uwepeker ウウェペケレ 民話24/25」「menokoyukar メノコユカラ 神謡8」を公開した。
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