研究課題/領域番号 |
17H02349
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
島田 めぐみ 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 教授 (50302906)
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研究分担者 |
孫 媛 国立情報学研究所, 情報社会相関研究系, 准教授 (00249939)
保坂 敏子 日本大学, 大学院総合社会情報研究科, 教授 (00409137)
谷部 弘子 東京学芸大学, 留学生センター, 特任教授 (30227045)
澁川 晶 国際基督教大学, 教養学部, インストラクター (60322327)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日本語教育 / 教育評価・測定 / 聴解テスト / 認知診断テスト / Webテスト |
研究実績の概要 |
平成30年度,代表者と分担者による日本語聴解認知診断テストに関する研究会を9回行い,日本語聴解認知診断テストに関する予備調査の実施と分析を次の通り行った。 (1)ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー),大連外国語大学(中国),インドネシア教育大学(インドネシア)にて予備調査を実施し,242名のデータを得た。(2)予備調査の結果をもとに各問題項目の分析を行った。その結果,適切な項目のほか,修正が必要な項目,不適切な項目が明らかになった。また,選択枝の数,選択枝の提示方法,真正性などに関し,今後のテスト作成の方針を検討した。(3)予備調査の結果に関し,認知診断モデルを用いて学習者の習得状況を推定した。(4)アトリビュートの妥当性検証の一貫として,日本語教師6名に対して聴解に必要な要素・能力に関するアンケート調査を実施し,その他先行研究と合わせアトリビュートについて再検討した。 上記(1)と(2)の結果をもとに下記の通り研究成果を発表した。 (5)ヴェネツィア2018年日本語教育国際研究大会にてポスター発表(「真正性の高い日本語聴解テストの開発」を行った。(6)東アジア日本語教育・日本文化研究学会国際学術大会にて口頭発表(「日本語聴解テスト予備試験の分析結果-認知診断テストの開発を目指して-」)を行った。(7)『東アジア日本語教育・日本文化研究』に論文「日本語聴解テスト予備試験の分析結果-認知診断テストの開発を目指して-」を投稿し,採用が確定した。 そのほか,(8)聴解素材に関する著作物利用方法の調査,(9)澤木泰代氏(早稲田大学)を招いて認知診断テストの開発に関する研究会(3月)を行った。また,(10)Facebookページにて研究に関する発信を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた予備調査の実施,予備調査の結果分析,認知診断モデルによる学習者の習得状況の推定,テスト問題素材の著作物利用に関する検討,学会発表等は予定通り進んだ。しかし,予備調査の結果,アトリビュートの再検討が必要だということが明らかになり,当初の計画に含まれていなかったアトリビュートに関する調査(日本語教師に対するアンケート調査)を実施し,think aloud調査(学習者を対象にする調査)の企画を行った。そのため,平成30年度に実施する予定であった問題項目の作成が遅れた。しかし,アトリビュートの検討は最終段階であり,また,予備調査の項目の約半数が再利用できるため,平成31年度前半までに問題項目作成が完成する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度の結果より,アトリビュートの再検討の必要性が生じたため,下記の通り妥当性を検証する。(1)予備試験用テストを用いて,学習者を対象に聴解テストの解答過程に関する調査(think aloud調査)を東京学芸大学,東京富士大学で実施する。(2)英語の聴解認知診断テストの開発者と意見交換を行う。(3)新たに構築したアトリビュートを用いてテスト結果を分析する。その後,テストの開発と分析まで次の通り行う。(4)新たなテスト項目15項目程度を作成し,本テストを完成させる。(5)新たな項目の素材に関し著作物利用の手続きを行う。(6)本テストを用いたthink aloud調査をシンガポール国立大学とハワイ大学ヒロ校で実施し,最終版テストを確定させる。(7)本テストを日本国内,タイ,中国等で実施する。(8)結果の分析を行う。研究成果は,日本テスト学会(8月),日本言語テスト学会(9月),日本語教育学会(11月)などで発表する予定である。また,Facebookページでの発信を行う。
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