研究課題/領域番号 |
17H02364
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
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研究分担者 |
小泉 政利 東北大学, 文学研究科, 教授 (10275597)
Snape Neal 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10463720)
金 情浩 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70513852)
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
宮本 陽一 大阪大学, 言語文化研究科(言語文化専攻), 教授 (50301271)
山田 敏幸 群馬大学, 教育学部, 講師 (50756103)
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 国際文化研究科, 講師 (60549054)
ローランド ダグラス 東京大学, 教養学部, 特任講師 (60749290)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 文法性の錯覚 / 言語処理 / 言語理論 / 日本人英語学習者 / 脳機能イメージング / 非文法的な文 / 冠詞 / 生成文法 |
研究実績の概要 |
母語話者でも、非文法的な文を文法的と錯覚してしまう「文法性の錯覚」が、文処理研究で明らかになっている。この現象は、第二言語獲得 (SLA)では頻繁に見られるにもかかわらず、SLA の「誤り」は、このような観点からは捉えられてこなかった。本研究は、第二言語学習者(特に、英語の接触量の増加にも拘わらず停滞期にいる日本人英語学習者)が、豊かな言語経験にもかかわらず限られた知識しか得られないという問題を、「文法性の錯覚」から捉え直し、言語理論、言語処理、認知科学、脳機能イメージングの観点から総合的に解明する。 研究初年度の平成29年度は、「文法性の錯覚」と、SLAのインターフェイス問題に関して各部門の分担者が基礎調査を行うことで、平成30年度以降の研究基盤を築いた。研究代表者および分担者は、「文法性の錯覚」に関連する最新の研究動向を調査するために、国内外の学会で資料を収集すると同時に、研究成果の一部を発表をした。また、専門的知識を提供してもらうために国内の研究者を招聘した。さらに、本研究課題と関係する「ボトルネック仮説 (Bottleneck Hypothesis)」を提唱している海外研究協力者Roumyana Slabakova教授 (Southampton大学)を平成30年11月に招聘し、本科研の研究会に参加していただき最新の研究を発表して頂くと同時に、本科研のレヴューを受けた。また、Slabakova教授は"Can Linguistics help the Language Classroom?"と題して公開講演を行い、国内外から約50名の参加者があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「文法性の錯覚」と、SLAのインターフェイス問題に関して各部門での基礎調査はほぼ終わり、関連する論文、学会発表、著書を発表した(業績を参照)。また、本プロジェクトに関して海外の研究協力者を招聘しレヴィーを受け、研究はおおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、研究分担者が個々に研究課題に関する基礎研究を中心に行った。平成30年度は、平成29年度の研究成果の基づき、各自が研究をすすめると同時に、研究者間の有機的な共同研究をすすめる。また、学会や講演会で研究成果を発表すると同時に論文を執筆することに加えて、専門書や一般書の形で本研究の成果を発信する予定である。
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