研究課題/領域番号 |
17H02370
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
守川 知子 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (00431297)
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研究分担者 |
秋山 晋吾 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (50466421)
島田 竜登 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 准教授 (80435106)
上野 雅由樹 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (10709538)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アルメニア人 / マイノリティ / ネットワーク / 近世 / ユーラシア |
研究実績の概要 |
初年度の平成29年度は、検討事項の1に挙げた<16~18世紀のユーラシアでのアルメニア人の活動実態と交易ネットワークの形成・発展過程>を重点的に検討し、アルメニア人コミュニティの残る各地で資料調査とフィールド調査を行った。 代表者の守川知子は9月上旬にレバノン(特にベイルート)のアルメニア教会を、研究協力者の吉村貴之氏とともに調査した。分担者の秋山晋吾氏は、3月末にハンガリー国立文書館で史料調査を行い、ハンガリー総督府文書の18世紀の放浪民関連文書の調査とデジタル撮影を行った。上野雅由樹氏は、12月末から1月初に、オスマン帝国内で活動したアルメニア人商人と聖職者に関する17、18世紀の文書(イスタンブルの首相府文書館オスマン部局所蔵)を調査し、それらの画像を収集するという作業を行った。 また1月には、インドのプネー大学で開催された国際研究集会において、守川および分担者の島田竜登氏が研究成果報告を行い、あわせてIshrat Alam 氏(アリーガル大学)によるインドのアルメニア人に関する報告(The Pedlar’s System of Communication: The Armenian South Asia Network)等において、近世のアルメニア商人とそのネットワークに関する意見交換を行った。 また、研究協力者の吉村貴之氏は、平成31年2月にベイルート(ハイガズィアン大学)およびイスタンブール(アルメニア系新聞『アゴス』紙のフラント・ディンク記念図書室)で史料調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
それぞれの担当地域において、「アルメニア人」に焦点をあてて資料を収集し、分析・検討作業を進めており、おおむね順調に進んでいると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
在外研究中の共同研究者が存在するため、国内での研究者間の相互理解が進んでいるとは言い難いものの、互いの専門領域を活かして個別に研究を進め、メール等で知見を交換している。一方、それぞれのフィールドが異なるため、海外の研究者との交流・連携が想定以上に進展している。今後はこの点をより強化し、本共同研究の国際的な発展を目指していく予定である。
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