研究課題/領域番号 |
17H02373
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 楽章 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (10332850)
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研究分担者 |
岡 美穂子 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (30361653)
藤田 明良 天理大学, 国際文化学部, 教授 (50309514)
山崎 岳 奈良大学, 文学部, 准教授 (60378883)
鹿毛 敏夫 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (60413853)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 島嶼・海域史 / 東アジア海域 / 紛争 / 外交 / 中国 / 日本 / 朝鮮 / ポルトガル |
研究実績の概要 |
①定例研究会・現地調査:10月21日・22日、福岡県九州国立博物館において第一回定例研究会を実施し、今後の研究成果を策定し研究報告を行った。あわせて秋月博物館、甘木歴史資料館、九州国立博物館における資料調査も実施した。 ②海外学会におけるパネル報告:2017年7月20日、タイ、チェンマイで開催された The 10th International Convention of Asia Scholarsに、パネル“Japan in the Sengoku Period and Asian Trading Networks of Military Supplies”を組織し、研究代表者の中島、分担者の岡・鹿毛・山崎が16世紀東アジア海域における軍需品貿易に関して報告と議論を行った。あわせてタイ北部の硝石生産地などに関する現地調査も実施した。 ③海外における史料・現地調査:中島はリスボン国立図書館で、岡はトレ・ド・トンボ文書館において東アジア海域史に関するポルトガル語史料の調査を行った。他のメンバーも国内外の機関において研究課題と関連する史料調査を行っている。 ④海外共同研究者との共同研究:中島は2017年6-7月に、海外研究者のJames Fujitaniとともに、16世紀の東西交流史に関するフランス語文献の共同研究を行った。また2018年2月には、藤田と研究協力者の米谷均が、海外共同研究者の柳教烈と、済州島において海上勢力の活動に関する資料・現地調査を実施した。 ④研究成果の発表:以上のような史料調査・現地調査の成果を活用して、研究課題に関連する研究成果を国内外で発表した。代表者の中島は、2017年度に本課題に関連する日本語論文1本、中国語論文3本、英語論文1本を刊行した。また分担者の岡・藤田・鹿毛・山崎も、あわせて和文論文3本、英語論文1本、中国語論文2本を発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では、研究代表者・分担者・協力者・連携研究者が、海外共同研究者とも協力して、国内外で史料調査・現地調査を実施し、16-17世紀の東アジア海域に関する、日本・中国・朝鮮・イベリア史料の専門家が、それぞれの研究成果を相互に提供し、東アジア海域における紛争と外交の諸相を、総合的に研究し、その成果を日本語のほか英語・中国語などでもひろく発信することを意図している。 2017年度はこうした研究計画に基づき、各メンバーが国内外において各自の研究課題に関する史料調査・現地調査を実施し、その成果を国際学会におけるパネル報告において発表するとともに、日本語のほか英語・中国語の論文としても発表しており、計画通りに史料調査・現地調査の実施と、その成果の国内外における発表を中心とする研究計画が進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度以降も、引き続きメンバーが協力して、国内外における史料調査・現地調査を行い、その成果を共有することによって、東アジア海域史の総合的・多角的研究を進め、その成果を国内外の学会や、各国語論文として発表していく予定である。 そのために、今後の三年間も、海外共同研究者とも連携して、中国・台湾・韓国・ポルトガルなどの諸機関において、16-17世紀東アジア海域の紛争と外交に関する、各国語史料の調査と研究を進め、定例研究会などの場においてこれらの情報と成果を交換し共有する。また海外学会でのパネル報告も継続的に実施し、研究成果を海外に発信するとともに、海外の関連する研究者との学術交流も進める。 また関連する科学研究費の研究課題と共同で研究会なども開催し、海外共同研究者を招聘して後援や学術交流を行うことも企画している。2018年度は、7月に中国・東北師範大学で開催されるthe 4th Conference of the Asian Association of World Historiansに、パネルを組織して参加しすることが決定しており、その後も海外学会への参加、海外共同研究者の招聘、海外での論文発表などを通じて、国際的な研究活動を進める予定である。
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