研究課題/領域番号 |
17H02373
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 楽章 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (10332850)
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研究分担者 |
岡 美穂子 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 准教授 (30361653)
藤田 明良 天理大学, 国際学部, 教授 (50309514)
山崎 岳 奈良大学, 文学部, 准教授 (60378883)
鹿毛 敏夫 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (60413853)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 島嶼・海域史 / 東アジア海域 / 紛争 / 外交 / 中国 / 日本 / 朝鮮 / ポルトガル |
研究実績の概要 |
2019年度は2017・2018年度に続き、研究代表者・研究分担者・研究協力者が共同で、あるいは個別に、海外での文献調査・現地調査、国内での文献調査、国内・海外学会での報告、研究成果の刊行などを行い、さらに本研究課題の成果をまとめた、和文・英文論文集の執筆・編集を続けた。 海外調査としては、8月に研究代表者の中島、分担者の米谷・鹿毛、協力者の米谷が共同でメキシコにおける現地調査と学術交流を来ない、クエルナバカ市カテドラルにおける長崎26聖人壁画調査、プエブラ大学における現地の文化交流史研究者との学術座談会などを実施し、スペインの太平洋貿易に関するメキシコ銀・中国絹の生産・交易/消費に関する史跡調査を実施した。 また研究代表者の中島は、Conference, Melaka in the Long 15th Century、"大航海時代珠江口湾区与太平洋―印度洋海域交流”国際学術研討会」、International Conference, A Look at East Asian History through Transnational Intercourse and Networksなどの国際学会において、研究課題と関連する16世紀海域アジアの通交について報告した。研究分担者・協力者も、各自の研究課題に関して国際学会・国内学界において報告を行い、また関連する学術論文を国内外の学術雑誌・論文集などに発表した。 また本研究課題の成果をまとめた論文集として、上田信を代表者とする基盤研究Aと共同で、和文論文集『アジアの海を渡る人々』の刊行準備を進め、また岡美穂子を編者として、本研究課題の代表者・分担者・協力者・海外共同研究者の研究成果による英文論文集Commerce and War in Maritime East Asia (Palgrave Macmillan)の刊行準備も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では研究代表者・分担者・協力者が海外研究協力者とも連携して、16-17世紀東アジア海域における紛争と外交をテーマとする諸問題について、共同でまたは個別に国内外での史料・文献調査を行い、その成果を国内外の雑誌・論文集や学会で発信し、それらの成果に基づき論文集を刊行することを計画していた。 本年度は共同でのメキシコでの現地調査や学術交流、各自の国内外での調査などを順調に進め、その成果を国内外・雑誌・論文集・学会で順次発表しており、さらに日本・中国・朝鮮・ポルトガル・スペインなどの史料を活用して16-17世紀の東アジア海域における、渡海者の移動と諸地域における活動、同時期の紛争や戦争にともなう交易秩序や国際関係の変動などを論じた、和文論文集・英文論文集の編集を順調に進めている。これらの学術活動を通じて、当初計画以上に研究活動が進展したと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度には年度末における新型コロナウイルス流行により、研究分担者山﨑岳が予定していた海外調査が困難となったため、分担経費の一部を2020年度に繰り越し、2020年度に執行した。また2020年度にはコロナウイルス流行の継続により、研究代表者が予定していた海外調査が困難となったため、代表者経費の一部を2021年度に繰り越した。2020年度には本研究課題の成果として、上田信・中島楽章編『アジアの海を渡る人々――16・17世紀の渡海者』(春風社)を刊行した。また岡美穂子を編者として、英文論文集Commerce and War in Maritime East Asiaを2021年度内に刊行する準備を進めている。また2021年度には代表者経費繰越分により、可能であれば中国・台湾・韓国における、東アジア海域の紛争・外交・貿易に関する史料・文献調査を行い、その成果を国内外の雑誌・学会で発表し、上記の和文論文集・英文論文集を補完する計画である。
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