研究課題/領域番号 |
17H02382
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
及川 亘 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70282530)
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研究分担者 |
小宮 木代良 東京大学, 史料編纂所, 教授 (90186809)
石津 裕之 東京大学, 史料編纂所, 助教 (50812674)
金子 拓 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (10302655)
黒嶋 敏 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (90323659)
森下 徹 山口大学, 教育学部, 教授 (90263748)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 天下普請 / 公儀普請 / 軍役 / 織豊政権 / 江戸幕府 / 梅津政景日記 / 普請 |
研究実績の概要 |
本年度は天下普請(公儀普請)関連の史料収集と整理・分析・研究のために、以下のような研究活動を行った。 史料調査:まず前年度に引き続き、靖國神社遊就館所蔵「名古屋御城石垣絵図」の関連調査として、宮内庁書陵部所蔵「名古屋御城石垣絵図」、および徳川美術館所蔵「名古屋城普請町場請取絵図」の調査を行った。この結果、遊就館本はこれまで所在不明とされていた慶長十五年名古屋城普請の石垣絵図のオリジナルであることが判明した。この成果の一部は、及川亘「靖國神社遊就館所蔵「名古屋御城石垣絵図」について」(『画像史料解析センター通信』第八七号、二〇一九年一〇月刊)として紹介した。またその他に公儀普請関係史料・近世前期史料の調査として、熊本大学附属図書館所蔵「松井家文書」、東北歴史博物館所蔵「石母田家文書」、仙台市博物館所蔵「伊達政宗記録引証記」・「石母田家資料」・「鷹匠半澤家文書」の調査を行った。 公儀普請関係史料目録:国文学研究資料館所蔵「蜂須賀家文書」より、公儀普請関連の史料の抽出・目録化を行った。 『大日本古記録 梅津政景日記』のフルテキストデータベース化:『大日本古記録 梅津政景日記』の第四巻~第七巻のテキストデータを加工し、第四巻~第六巻については東京大学史料編纂所の古記録フルテキストデータベースに搭載し、一般公開した。 研究会の開催:二〇二〇年三月に柳川市において研究代表者・研究協力者を中心に研究会を開催する予定であったが、新型コロナウィルス感染症の流行により中止とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
史料調査については、三月に予定していた柳川古文書館での調査は新型コロナウィルス感染症の流行により実施できなかったが、それ以外は順調に実施することができた。特に前年度に発見した靖國神社遊就館所蔵「名古屋御城石垣絵図」関連の調査を行い、本絵図がこれまで知られていなかった近世初頭のオリジナルの絵図であることが確認できた。また継続で調査してきた仙台伊達家重臣「石母田家文書」関連の調査が終了し、予定していた熊本大学附属図書館・仙台市博物館での関連史料の調査が順調に実施できた。 公儀普請関係史料目録については、予定通り国文学研究資料館所蔵「蜂須賀家文書」より、公儀普請関連の史料の抽出・目録化を行った。 『大日本古記録 梅津政景日記』のフルテキストデータベース化については、全九巻のうち第四巻~第六巻について予定通りに一般公開が完了し、当初予定に入っていなかった第七巻についてもテキストデータの加工は終了し、一般公開の準備が整った。 年度末に予定していた柳川古文書館での史料調査と併せて実施を予定していた研究会については中止とせざるを得なかったが、メール等により研究の進捗状況の確認を行った。 以上、一部史料調査と研究会についてはコロナ禍という不測の事態により中止を余儀なくされ、その分の次年度への繰り越しを行ったが、それ以外の部分では予想以上の進展もあり、全体としてはおおむね順調に進展したといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、一部実施できなかった史料調査の実施を模索し、研究会についてはZOOMなどオンライン会議システムなども利用して実施を目指す。 公儀普請関係史料目録については、『大日本古文書』など東京大学史料編纂所刊行の史料集を中心として史料抽出の作業と史料研究を進める。 『大日本古記録 梅津政景日記』全九巻のフルテキストデータベース化については、研究期間内に全体の一般公開を目指す。 以上の活動をもとに冊子体の報告書の刊行を行う。
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