研究課題/領域番号 |
17H02387
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
小林 道彦 北九州市立大学, 基盤教育センター, 教授 (80211910)
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研究分担者 |
森 靖夫 同志社大学, 法学部, 准教授 (50512258)
瀧井 一博 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (80273514)
西田 敏宏 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 准教授 (90362566)
奈良岡 聰智 京都大学, 法学研究科, 教授 (90378505)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本近代史 / 山県有朋 / 陸軍 |
研究実績の概要 |
本研究は、山県有朋および山県系官僚閥に関する内外史料の収集と整理・分析を通じて、新版『山県有朋意見書』を編集・公刊し、「日本の近代」の再検討を行おうとするものである。底本には大山梓編『山県有朋意見書』(原書房、1966年刊行、以下「大山本」と略称)を用いる。大山本は日本近代史研究などの学問分野における最も基本的な「データベース」として、長年多くの研究者に利用され、多大なる学問的恩恵をもたらしてきた。本研究は爾後半世紀あまりにわたって関係諸機関によって、収集・公開されてきた史料を中心に、新たな史料の探索にも注力しつつ、それらを整理・統合した新版『山県有朋意見書』を公刊することを目的とするものである。2年度目にあたる本年度は、研究実施計画に沿って着実に研究実績を積み重ねることができた。その概要は以下の通りである。 ①大山本に掲載されている意見書の典拠確認・史料原本の複写作業はほぼ完了した。ただし、10点あまりは典拠不明である。 ②『公爵山県有朋伝』『明治天皇紀』『明治天皇御伝記史料・明治軍事史』『陸軍省沿革史』等の刊本からの、関連箇所の複写とデータ入力作業は完了した。上記作業に関しては、松本浩延(同志社大学法学研究科博士後期課程)、徳重伸(同博士前期課程)、井本莞司(同博士前期課程)を研究協力者として作業を行った。 ③前年度に引き続き、大山本に収録されていない意見書の探索を、国立国会図書館憲政資料室、防衛省防衛研究所図書館、国立公文書館、奥州市立後藤新平記念館、憲政記念館、山口県文書館などで進めており、43点あまりの未刊行の新出意見書を見つけ出すことができた。また、海外での史料調査も適宜実施した。 ④以上の史料リストを全部統合した「統合リスト」を作成し、それを元に出版社(千倉書房)との出版交渉を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
理由 ①大山編『山県有朋意見書』の典拠確認・史料原本からの複写作業、電子データ化はほぼ完了した(ただし、典拠不明のものが若干存在する)。 ②史料集の中身を示す「統合リスト」の作成も「典拠不明」のものを除いてほぼ完了した。これによって、『新版・山県有朋意見書』の全体のイメージをつかめるようになり、出版に向けて大きく前進することができた。なお、以上の作業を進めるに当たっては、適宜研究会を開催し、衆知を集めることに留意した。 ③ただし、未収録意見書の電子化作業は未着手であり、これには相当の労力を要することが予想される。 ④予想以上に多くの「意見書」もしくはそれに類似の文書が発見されたので、「意見書」の再定義が必要となる。大山編では演説なども収録されており、その辺との兼ね合いの付け方には検討の余地が十分ある。
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今後の研究の推進方策 |
①大山梓編『山県有朋意見書』ならびに『公爵山縣有朋伝』等の既刊本所収山県意見書の電子データを画像と照合し、適宜校正を加えるという校訂作業を研究代表者と研究分担者で協働して行なっていく。その際、相互チェックを行ない、校訂の万全を期す。また、未収録意見書の電子データ化を早急に推進しなければならない。これには相当の仕事量が予想される。また、入力データの相互チェックも行う必要がある。 ②『新版・山県有朋意見書』の解題を研究代表者と研究分担者で分担して執筆する。小林は書誌的な解説と軍事(前半部分)を、瀧井は国制と地方制度を、奈良岡は政治を、西田は外交を、森は軍事(後半部分)をそれぞれ執筆する。軍事を二分割したのは、関係する意見書が多いことによる。以上①②については今年度中の入稿を予定している。 ③適宜共同の史料調査を行なう。また、研究会を京都で開催し、出版に向けての作業の詰めや相互チェックなどを行っていく。 ④なるべく収録漏れのないように心がけて、能う限り追加的史料調査も行っていくが、万一脱漏があった場合に備えて、電子的な意見書目録を作成し、適当なウェブサイトに掲載することをも検討していく。
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