研究課題/領域番号 |
17H02394
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研究機関 | 名古屋学院大学 |
研究代表者 |
鹿毛 敏夫 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (60413853)
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研究分担者 |
山内 晋次 神戸女子大学, 文学部, 教授 (20403024)
伊藤 幸司 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (30364128)
中島 楽章 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (10332850)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 硫黄 / 銀 / 硝石 / 流通 / 中世史 / 同位体比 / 学際研究 |
研究実績の概要 |
15~17世紀の日本で盛んに採掘が進み、遣明船や朱印船、中国人ジャンク、あるいは南蛮船に積み込んで東アジア諸国に大量に輸出した鉱物資源に「硫黄(サルファー)」と「銀(シルバー)」がある。本研究の目的は、これまで個別分野の枠内で研究者個々の方針と目的によって進められてきた「硫黄と銀のアジア的流通構造の究明」を、人文学・理化学の枠を取り払って学際的に組織したチームとして推進し、相互に連携と比較を繰り返しながら、その大量産出に沸いた中世~近世初期日本の「サルファーラッシュ」「シルバーラッシュ」の社会実態を明確化することにある。また、日本史の学際的共同研究の成果を、国内のみでなく世界的にも発信し、日本史研究の国際化に寄与することにもある。 初年度は、まず6月に、第1回全体会議を開いてメンバーの問題認識の共有と年度詳細計画の策定を行った。そして7月に、チェンマイ(タイ)で開催のICAS(International Convention of Asia Scholars)10国際学会に参加し、本共同研究の問題認識と目的を英語にて国際的に発表した。 具体的な調査・研究活動は、「硫黄」考察班・「銀」考察班・「硝石」考察班・「同位体比解析」班・「考古」班の各個別考察班に分かれて推進した。重点共同調査としては、7月にタイ北部およびラオスにおける硝石原料の系統的採取を行い、国内では2月に久能山東照宮博物館および香川県立ミュージアムにおいて17世紀初頭の残留火薬原料の調査等を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初計画通りに研究をスタートできている。各個別考察班によって調査・研究の進み具合に差があるものの、全体的な調整で補える範囲である。
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今後の研究の推進方策 |
2年目以降、個別考察班による各研究を本格化させ、順次に報告会を開催して連携調整を図っていく。また、関連する他の研究グループとの共同研究会等を開催して議論を深め、得られた途中成果から集約点を見据え、最終的な着地点への見取り図を描いていきたい。
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