研究課題/領域番号 |
17H02402
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研究機関 | 国士舘大学 |
研究代表者 |
前川 和也 国士舘大学, 付置研究所, 研究員 (60027547)
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研究分担者 |
川瀬 豊子 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 教授 (10195092)
寺村 裕史 国立民族学博物館, 人類文明誌研究部, 准教授 (10455230)
森 若葉 国士舘大学, 付置研究所, 研究員 (80419457)
春田 晴郎 東海大学, 文化社会学部, 教授 (90266354)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バビロニア / スサ / アンシャン / 粘土板文書 / イラン国立博物館 |
研究実績の概要 |
本年度は古代メソポタミア、主としてバビロニアとイラン南西部フジスタンなどの諸都市(スサおよびアンシャン、ペルセポリス)間の文化交渉について、各班員の専門分野での考究およびイラン国立博物館所蔵のアンシャン(テル・マルヤン)出土粘土板文書の考察に力を注いだ。また、K. Maekawa ed., Ancient Iran: New Perspectives from Archaeology and Cuneiform Studies (Maekawa ed. -in- chief, Ancient Text Sources in the National Museum of Iran, Vol.2) のテヘランでの早期刊行を実施するため、班員(春田、森、川瀬、寺村)および研究協力者(松島英子)が平成29年9月、平成30年1月、3月にイラン国立博物館を訪問している。本書は班員の他、イラン、米国、ベルギーおよび日本人研究者による国際シンポジウム(2014年、京都)であり、この議事録を大幅に加筆したものである。本書で、たとえば前川は、前21世紀末スサ(イラン・フジスタン地方)にバビロニアのシュメール都市ギルスが広大な耕地を開拓したことをはじめて実証している。一方森若葉は前21世紀ウル第3王朝の創始者ウルナンム王碑文がアンシャン近郊で発見されイラン国立博物館に所蔵されていることをつきとめている。王朝によるイラン南西部支配の証である。班員はその間K, Maekawa ed, Ancient Iranの担当論文の補正、加筆を実施した。本書はペルシア語全訳を付して令和元年8月までにテヘランにおいて刊行されることに決定した。基金の一部は班員のイラン渡航、Ancient Iran諸論文のペルシャ語訳費用に充当されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
Maekawa ed., Ancient Irann: New Perspectives from Archaeology and Cuneiform Studies (Maekawa ed. -in- chief, Ancient Text Sources in the National Museum of Iran, Vol.2) のテヘラン出版など、研究はまったく順調に進んでいる。なお、前2千年紀中葉アンシャン(テル・マルヤン)出土文書の研究は現在継続中であり、本年度内に完了させる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は主としてイラン国立博物館所蔵アンシャン(テル・マルヤン)出土文書の研究完成に努める。主として前川および森がすでに撮影ずみの粘土板写真を利用しつつ粘土板の手写コピーを完成させ、また班員全員および研究協力者(松島英子)による翻字作業を前川研究室にて実施する。研究成果はイラン国立博物館に提出する。また研究打ち合わせのため、班員がイラン国立博物館を訪問する。
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