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2020 年度 研究成果報告書

中近世ヨーロッパにおける「正しい認識力」観念の変遷

研究課題

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研究課題/領域番号 17H02406
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 ヨーロッパ史・アメリカ史
研究機関山梨大学

研究代表者

皆川 卓  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90456492)

研究分担者 田口 正樹  北海道大学, 法学研究科, 教授 (20206931)
三浦 清美  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (20272750)
鈴木 道也  東洋大学, 文学部, 教授 (50292636)
石黒 盛久  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (50311030)
長谷川 まゆ帆  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (60192697)
小山 哲  京都大学, 文学研究科, 教授 (80215425)
坂本 邦暢  明治大学, 文学部, 専任講師 (80778530)
甚野 尚志  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90162825)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードキリスト教社会 / 脱「脱魔術化」 / 霊→精神(spiritus)と有機体 / 旧約聖書と新約聖書 / レジティマシーとオーソドキシー / ローマの理解と政治的正義 / 多数決 / 正しい暴力
研究成果の概要

本研究は中近世における「正しさ」の観念を、北西ユーラシア・キリスト教諸地域について比較したものである。その結果以下の点が解明された。①霊(精神)、暴力、多数決の解釈がポイントとなること、②各国の「正しい認識」の差違の背景には、聖書および人文知の受容を巡る差違があること、③「脱魔術化」論への批判的再検証が必要であること、④「正しさ」が近世国家の正当化に用いられ、レジティマシーとなる場合には、自らを閉鎖し、「正しい認識」であることを止めるのに対し、それが神学的実在を求める「正しさ」=オーソドキシーとなる場合には、他者との関係で常に上書きされ、抽象的な「正しい認識」に発展することである。

自由記述の分野

近世西中欧国制史

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の結果、国民国家成立以前である当該期においては、国家単位の自他意識は他の自他意識と同様選択的であり、ローマ的伝統やキリスト教諸宗派という単位も絶対的ではないことが判明した。むしろ決定的なのは、聖書や人文知などのコミュニケーションの使われ方である。その中での「正しさ」がレジティマシー(国家的正当性)となった場合にはそれ自体閉鎖化し、他の「正しい認識」から分離した形式知になるのに対し、オーソドキシー(宗教的・信条的正当性)に留まった場合には、普遍性を求めるがゆえに他の「正しさ」とのコミュニケーションを生み、実在を巡ってより客観化された「正しい認識」に展開していった。

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公開日: 2022-01-27  

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