研究課題/領域番号 |
17H02412
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
常木 晃 筑波大学, 人文社会系, 教授 (70192648)
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研究分担者 |
西山 伸一 中部大学, 人文学部, 准教授 (50392551)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 新石器化 / 農耕化 / 都市化 / 文明 / テル・エル・ケルク / タペ・サンギ・チャハマック / カラート・サイド・アハマダン / ジャルモ |
研究成果の概要 |
研究代表者は30年以上にわたる西アジアでの調査成果に基づいて、従来の定説とは異なる次のような農耕化・都市化プロセスを提示してきました。1.西アジアでは、後氷期の環境適応として肥沃な三日月地帯で単純な天水農耕に基づいて農耕化が生じたのではなく、天水農耕と湧水農耕を組み合わせた複雑な農耕が初めから指向されていた。2.紀元前4千年紀後半の南メソポタミアでの灌漑農耕に基づく都市化に先立って、紀元前8-7千年紀の北シリア地域で、灌漑と乾地農耕を組み合わせた農耕に基づいて社会の複雑化と大型化が進行し、その中で都市文明の基盤が形成された。本研究ではこれらの仮説の根拠となる遺跡の調査,報告を行いました。
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自由記述の分野 |
西アジア考古学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球上で最も早く農耕が始まり都市社会が形成されたのが西アジアです。本研究では研究代表者が直接調査や研究に携わってきたシリア、イラン、イラクに所在する遺跡の調査研究を進めて遺跡調査報告を出版し、肥沃な三日月地帯東西での新石器化と都市化についての新たな仮説の根拠となる資料を具体的に提示、報告しました。現代社会は食糧生産経済と都市文明に大きく依存しています。なぜ人類は食糧生産を始め、都市文明を形成していったのか探究することは、階層化や環境破壊など現代文明の様々な矛盾の始まりを追究する原点となるのです。
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