九州の縄文時代後晩期に盛行する、九州独自の玉(アクセサリー)の製作工程・技術・道具類は未解明である。この問題を解決するために玉の製作遺跡を発掘調査した。工房の一部とその周囲を掘削し、微細遺物を回収するため土は全て水洗選別した。その結果、2,410点の小玉未成品・剥片・原石及び道具類の獲得に成功した。 出土遺物から、製作工程や製作技術を復元できた。工房は小玉製作専用と見られ、玉製作に分業があった可能性が高いことが分かった。また、多くの特徴的な原石の分析にもとづき、未発見のクロム白雲母原産地の候補地を新たに想定した。さらに玉の製作遺跡の調査では、掘削土を篩う有効性と必要性を実証した。
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