研究課題/領域番号 |
17H02429
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
宮町 良広 大分大学, 経済学部, 教授 (50219804)
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研究分担者 |
山本 健兒 帝京大学, 経済学部, 教授 (50136355)
大呂 興平 大分大学, 経済学部, 教授 (50370622)
藤川 昇悟 西南学院大学, 商学部, 教授 (50411682)
根岸 裕孝 宮崎大学, 地域資源創成学部, 教授 (60336287)
中澤 高志 明治大学, 経営学部, 専任教授 (70404358)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 地域経済 / グローバル生産ネットワーク / ロカリティ / 地域政策 / 九州 |
研究実績の概要 |
本年度は「ネットワーク」型および「ロカリティ」型発展の解明に重点をおき、研究会の開催、地域経済の実態研究、理論研究、研究成果発表の4つの研究計画を実行した。 まず研究会については、当初計画通り、年2回を実施した。第1回研究会では、徳島県や熊本県を事例とした「ロカリティ」型発展の実態、「グローバル生産ネットワーク」論の理論展開、同論とグローバル・バリューチェーンとの比較などを取り上げた。第2回研究会では、大分県の地方都市における移住実態と「ロカリティ」型発展への示唆や、日本の自動車メーカーのグローバル生産ネットワークに加え、地域経済の発展に関する理論研究について議論した。以上の研究会を通じて、メンバー間の知見の共有化および研究課題の解明に進展があった。 次に地域経済の実態研究について、文献資料の収集・整理は計画に沿って実行する一方、九州地方の中小製造業や自治体の政策担当者、関係する地域住民などを対象とするインタビュー調査を行った。その成果は研究会で共有した。 第3の理論研究については、本研究の理論的土台となる「グローバル生産ネットワーク」論を検討し、その理論構成の正確な理解を基礎として、批判的見地からも議論を深めた。さらに最終年度を見すえて、ダグラス・ノースやジェーン・ジェイコブスの地域発展理論の検討に踏み込んだ。 第4の成果発表について、10件の学会発表(うち1件は招待発表)を行い、16件の論文等発表(うち2件は査読有)を行った。とりわけ海外の査読付き出版物 International Encyclopedia of Human Geography に掲載された業績は高く評価される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定通り2回の研究会を開催したことで、研究メンバー間の知見の共有が大きく進展した。とくに理論研究について前年度を上回る進展があった。日本の地域経済の実態を解明するためのインタビュー調査についても一定の進展が見られた。研究成果発表については、研究実績で述べたように、学会発表、論文等公表の両面において、大きな進展があった。他方、研究水準をさらに高めるため、海外の研究者から研究レビューを受ける予定でいたが、スケジュールの制約などにより十分に実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
九州地方の地域経済に関する実証的研究を進めるため、インタビュー調査をさらに実施する。また地元シンクタンクである九州経済調査協会などと知見共有を進める。合宿型の研究会を年2回開催する。国内外の経済地理学関連学会等において、研究発表を進める。世界的水準で理論構築を進めるため、グローバル生産ネットワーク論や地域政策論をリードする海外の研究者から研究レビューを受ける。研究成果の学会誌等への投稿をさらに進める。
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