研究課題
本研究プロジェクトは、2015年12月のASEAN共同体の結成に至る東南アジア諸国、とりわけベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマー等において、”異形な立憲主義”が現れてきたことの、歴史的及び論理的な検討を行なった。“異形な”ということの基本的な内容は、近代の”立憲主義”がもつ人権保障と権力分立という基本的性格を保持せず、しかも、従来は、にもかかわらず、なんとかして、その内容から外れた憲法状況を少しでも変えていこうという性向を持っていたものの、むしろ近時は、立憲主義に真っ向から対立する方向での憲法状況が顕著になってきたということである。世界的なコロナ禍により、本研究プロジェクトの期間延長がなされたが、まさにその期間の2021年2月にはミャンマーでの軍部によるクーデターが引き起こされ、その後も人々は軍部の武力弾圧のもと、生命、自由、財産が公然と侵害され、立憲主義が破壊された。かつてミャンマーの民政への移行と軌を一にして憲法裁判所が成立したが、現在は、その違憲審査機能は停止している。同様に、ベトナムにおいて、2000年以降、主として法学研究者などによって要望されてきた憲法裁判所ないし憲法評議会構想も、憲法起草段階では明文化されたものも、結局のところ全く採用されなかった。これらに見られるように、今、ASEANのいくつかの国の憲法体制は、本プロジェクトが当初より指摘したように”異形”さを、さらに、あるいは段違いに増している。2021年には、本プロジェクトメンバーによる研究成果として、鮎京正訓等編『新版 アジア憲法集』(明石書店)が公表され、本研究プロジェクトは、このような新しい憲法現象をベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーの憲法の具体的な条文自体から明らかにした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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