研究課題/領域番号 |
17H02462
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
城下 裕二 北海道大学, 法学研究科, 教授 (90226332)
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研究分担者 |
山本 輝之 成城大学, 法学部, 教授 (00182634)
湯沢 賢治 独立行政法人国立病院機構水戸医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 部長 (10240160)
柑本 美和 東海大学, 法学部, 教授 (30365689)
佐藤 結美 上智大学, 法学部, 准教授 (50733119)
奥山 眞紀子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, こころの診療部, 部長 (70177195)
平野 美紀 香川大学, 法学部, 教授 (70432771)
奥田 純一郎 上智大学, 法学部, 教授 (90349019)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 臨床研究 / 被験者保護 / 治験 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、7月に上智大学において本研究課題の方向性を確認する研究会を開催し、研究代表者および分担者の出席の下で、研究計画の検討ののち、平野美紀教授による「臨床研究と患者の同意」および佐藤結美准教授による「臨床研究と個人情報保護」の報告が行われ、議論を交わした。 また、11月には、研究分担者の奥田純一郎教授により、日本法哲学会学術大会(大阪大学)において、「生命医学研究と法ー民主制との関わりにおいて」と題する報告が行われ、本研究課題と関連する基礎理論が提示された。同じく11月には、北海道大学において、日本刑法学会北海道部会との共催により、ドイツのマルティン・ルター・ハレ大学よりヘニング・ローゼナウ教授をお迎えして、「インフォームド・コンセント:医事法の幻想か現実か?」と題する講演をお願いし、研究代表者をはじめとする刑事法・医事法研究者と共に、臨床研究を含む医療現場での「同意」の意義と機能、倫理委員会のあり方などについて意見交換を行った。さらに同月には、立命館大学で開催された日本医事法学会において、臨床研究法の総合的検証ならびに臨床研究の法的正当化に関わる報告に接し、研究代表者が質疑応答に参加した。 こうした研究会活動と並行して、各分担者による執筆活動が行われたが、その分野は、生命科学研究の基礎理論、臓器移植、精神科医療、個人情報保護など多岐にわたるものである。 総じて、以上の研究成果は、わが国で臨床研究法が成立した後も、ミクロレベルでの法的規制が必要であること、その際には被験者保護の視点からの制度設計が不可欠であることを再認識する契機となるものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究のあり方に関する外部の研究会・学会との交流の機会が多かったため、予定していた本研究グループ内独自の研究会は回数を減らさざるを得なかったが、各研究分担者において、活発な研究会報告ならびに執筆活動を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、研究代表者および分担者において、欧米を中心とした各国の臨床研究規制の現況を調査し、そこで得られた知見に基づいて、平成31年度に予定している、臨床研究のあり方に関する国際シンポジウムの開催の準備を行う。また、医療関係者との交流ないしヒアリングの機会を増やすことにより、現実に進められつつある臨床研究の(規制面での)個別的な問題点を認識し、検討するように努める。
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