研究課題/領域番号 |
17H02490
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
篠田 英朗 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60314712)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | パートナーシップ / 平和活動 / 国連 / PKO / 地域機構 / アフリカ / リベラル / 国際安全保障 |
研究実績の概要 |
ニューヨーク国連本部で国連職員ら関係者への聞き取り調査を行うとともに、アフリカでは南部アフリカの準地域機構であるSADC職員への聞き取り調査や、パートナ―シップ平和活動について研究実績が豊富なシンクタンクであるACCORDへの聞き取り調査を行った。出張を予定していた一部の地域については、治安情勢が芳しくなく、あらためて訪問時期を探ることになった。また国際刑事裁判所(ICC)がパートナーシップ平和活動の活動地であるマリなどの情勢調査にあたっており、国際機関と現地政府及び(準)地域機構の連携について関心を持って調査をしているため、ICC職員との交流を通じて、得られた知見も大きかった。日本では文献資料の収集にあたり、パートナーシップ平和活動の実情や研究動向の把握に努めた。実際の政策現場では、トランプ政権の誕生によって、平和維持活動の予算が大幅に縮小になり、その文脈であらためて(準)地域機構と国連との間の協力関係を再構築する仕組みが模索されていることが判明してきた。学術的動向としては、国際関係学の理論分析の手法を用いてパートナーシップを捉える視点などについては、あらたに吸収していく必要性が痛感された。国連PKOの活動規模が縮小し、いわゆるリベラルな国際秩序が揺らいでいるという時代背景をふまえながら、多層的な国際安全保障メカニズムの理論的精緻化を進める必要性が高い。これをふまえて、パートナーシップ平和活動分析の理論的視座としていく方向性を固めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際機関を訪問して政策実施現場の声を集めながら、理論構築をしている段階であり、研究は順調に進んでいる。ただし本来であれば、国連PKOの現場に入りたかったが、治安状況の行方を見守る必要性があった。
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今後の研究の推進方策 |
安全を無視した渡航計画は立てられないが、当該地域から出ている職員と会って聞き取り調査をするなどの工夫を積み重ねて、研究を進めたい。平成30年度は、段階的に研究の中間報告を発表していくこととしたい。
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