研究課題/領域番号 |
17H02496
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
篠原 初枝 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (30257274)
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研究分担者 |
後藤 春美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00282492)
等松 春夫 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 教授 (20297097)
齋川 貴嗣 高崎経済大学, 経済学部, 講師 (30635404)
詫摩 佳代 首都大学東京, 法学政治学研究科, 准教授 (70583730)
高橋 力也 日本大学, 国際関係学部, 助教 (80779843)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 国際連盟 / アジア / 太平洋 / 機能主義 / 技術協力 |
研究実績の概要 |
4月にこのプロジェクトの海外協力者であるLondon School of Economics のProf. Christopher Hughes を交えての研究会を行い、各自の研究テーマを確認するともに、このプロジェクトの全体の方向性を議論した。具体的には、歴史研究であるものの、国際連盟が現在のグローバルガバナンスにつながることを各研究者が意識し、そのうえで、研究を進めていくことが確認された。 日本国際政治学会の学会誌『国際政治』193号「歴史のなかの平和的国際機構」特集号(2018年9月発行)において、研究代表者が編集責任者となり、研究分担者2名が寄稿した。研究代表者は序論において国際機構を歴史的に研究することの意義を論じ、2名の研究分担者は、それぞれ国際連盟の文化的活動および国際連盟の保健衛生活動について論文を記した。 11月の日本国際政治学会の年次研究大会においてパネルを持ち、当科研費プロジェクトの全員がそれぞれ報告者、討論者、司会者となり、研究成果を発表し、また議論をおこなった。このパネルは「アジアからみた国際連盟―設立100周年に向けた国際連盟史の再検討」と題され、国際連盟について欧米の研究者を中心に再検討が進みつつあるが、このパネルでは、連盟の活動の場であり連盟メンバーでもあった「アジア」に軸足を据えて連盟を再考した。「国際連盟保健機関(LNHO)極東支部の活動と遺産」、「国際連盟における国際法典編纂事業と日本」、「国際連盟の知的協力事業と日本・中国」というペーパーが発表された。討論者からは、「西欧・非西欧」、「技術協力の非政治性?」といった興味深い論点が提起され、またフロアからもアジアに重点をおいて連盟を考察することの意義が問いかけられるなど、充実したセッションであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べたように、2018年度は、海外からの研究協力者との議論、学会誌の編集および投稿、また学会での独立したパネルを設け発表するなど、各自メンバーがそれぞれ研究に励むとともに、その発表の機会が設けられ、本研究課題はおおむね順調に進んでいると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
2019度は、本研究課題を国際的に発信するための国際的ワークショップ開催を1月に計画している。そのために次のような方策が必要である。 1.各メンバーが昨年度までに進めてきたペーパー等を英語に翻訳する。 2.研究プロジェクトメンバー以外にも海外からの研究を招請するために、研究計画の方向性や全体を統括するテーマとの整合性をより明確に定める。 3.2020年1月のワークショップメンバーを決定したので、その招請へ向けて、日程の調整、またロジスティックでの手配を進める。 4.国際的ワークショップでの成果を英文編著にまとめて出版するため、出版社へbook proposal を提出し、出版助成の可能性を探る。
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