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2019 年度 実績報告書

EUの規範パワーの持続可能性に関する実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H02497
研究機関新潟国際情報大学

研究代表者

臼井 陽一郎  新潟国際情報大学, 国際学部, 教授 (90267451)

研究分担者 市川 顕  東洋大学, 国際学部, 教授 (80644864)
小山 晶子  東海大学, 教養学部, 准教授 (00645179)
小林 正英  尚美学園大学, 総合政策学部, 准教授(移行) (60364874)
小松崎 利明  天理大学, 国際学部, 准教授 (00777667)
武田 健  東海大学, 政治経済学部, 講師 (10704869)
東野 篤子  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (60405488)
福海 さやか  立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (70524081)
松尾 秀哉  龍谷大学, 法学部, 教授 (50453452)
吉沢 晃  同志社大学, 政策学部, 助教 (90743857)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードEU / 規範パワー
研究実績の概要

中間報告の取りまとめへ向けて、上半期に名古屋商科大学で研究会を開催した。この研究会では、本科研プロジェクトの基本仮説(規範パワーたろうとする集合的政治意思を持続させる4つの制度的条件)を再確認するとともに、理論編・政策分野編・地域編にパートを分けて、それぞれの分担研究者から、この仮説の問題発見機能および予想される問題点について、議論を重ねた。これにより、4つの制度的条件(マルチアクターシップ・シンクロナイゼーション・リーガライゼーション・メインストリーミング)の成立・存続・変容を認識するための基本論点を共有するとともに、実証すべき仮説の精緻化・洗練化をさらに進め、プロジェクト参加メンバー間の共有の程度を強化しておくことができた。

また8月の後半に研究代表者臼井と分担者の松尾、小松﨑の3名でブリュッセルに行き、欧州議会関係者にインタビューし、本科研プロジェクトの基本仮説の成立・不成立の状況について、とくにBrexitの交渉過程に引きつけて、具体的に検討することができた。そして下半期には本科研プロジェクトの成果発表の一環として、研究代表者の臼井が日本政治学会および国際政治学会にて、また研究分担者の市川、小山、福海が国際政治学会にて、それぞれ報告した。

しかし、下半期に予定していた(成果発表のための図書出版へ向けた)全体会合は、新型コロナウィルス感染拡大のため延期せざるをえなくなり、補助金の一部を次年度に繰り越すこととなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果報告の一環としての図書出版に目途がつき、2020年度上半期の早い時期に出版が可能となった。その出版へ向けた相互討論のプロセスを通じて、本科研プロジェクトの基本仮説をベースにすると、共通外交安保政策(CSFP)やEUテロ対策、警察協力とくに欧州逮捕状、EU競争政策そしてWTO対応といった様々な視角からするEU規範政治の比較研究(全加盟国がEUを規範パワーとして維持していこうとする集合的政治意思の成立・不成立に帰結する政治状況の把握を目指した政策分野間研究)が可能であることが見えてきた。また他方で、中国ファクターが本科研プロジェクトの基本仮説が想定する制度条件を損なう可能性があることも、本年度確認できた知見である。

今後の研究の推進方策

2019年度中に予定していた(研究成果報告の批判的検討のための)全体会合を2020年度のできるだけ早い時期に実施するとともに、成果報告として出版する図書へのコメントを収集すべく、ターゲットをしぼって同書を送付しコメントを求めるとともに、同書の書評会を開催し、本科研プロジェクトの基本テーマについて知見を深めていく。またブリュッセルでのインタビューの派生的成果として、本科研プロジェクトの基本仮説にいう4つの制度条件の不成立の可能性について論じた英語書籍の翻訳を進めることとした(同書はインタビューした者(EUの主要政治家の元スタッフ)によるもの)。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「欧州議会選挙と筆頭候補制―正統性の観点からの分析」2020

    • 著者名/発表者名
      吉沢晃
    • 雑誌名

      『ワセダアジアレビュー』

      巻: 第22号 ページ: 46-50頁

  • [雑誌論文] 「クロスロードのEU:歴史的使命を担うべき政体は矛盾の塊」2020

    • 著者名/発表者名
      臼井陽一郎
    • 雑誌名

      『図書新聞』

      巻: 第3429号 ページ: 7-7頁

  • [雑誌論文] EUの対ウクライナ政策-近隣諸国政策の成立からゼレンスキー政権の発足まで」2019

    • 著者名/発表者名
      東野篤子
    • 雑誌名

      『ロシア・ユーラシアの経済と社会』

      巻: 第1043号 ページ: 14-27頁

  • [雑誌論文] 「ヨーロッパと一帯一路:脅威認識・落胆・期待の共存」2019

    • 著者名/発表者名
      東野篤子
    • 雑誌名

      『国際安全保障』

      巻: 第47巻第1号 ページ: 32-51頁

  • [雑誌論文] 「EU競争政策の正統性と消費者の役割―集団損害賠償請求制度案の失敗を事例として」2019

    • 著者名/発表者名
      吉沢晃
    • 雑誌名

      『日本EU学会年報』

      巻: 第39号 ページ: 153-172頁

  • [学会発表] 「EU エネルギー同盟の政治過程における気候変動規範の強靭性 と脆弱性」2019

    • 著者名/発表者名
      市川顕
    • 学会等名
      日本国際政治学会
  • [学会発表] 「EU によるリベラル国際秩序?――その構想と手法」2019

    • 著者名/発表者名
      臼井陽一郎
    • 学会等名
      日本国際政治学会
  • [学会発表] 「Brexitの政治とEUの規範──主権を政治化させない仕組みについて」2019

    • 著者名/発表者名
      臼井陽一郎
    • 学会等名
      日本政治学会
  • [学会発表] 「EU における移民の社会統合政策と庇護・移住基金(AMF)への新たな展開」2019

    • 著者名/発表者名
      小山晶子
    • 学会等名
      日本国際政治学会
  • [学会発表] 「コロンビアにおける EU 麻薬規制政策の展開」2019

    • 著者名/発表者名
      福海さやか
    • 学会等名
      日本国際政治学会
  • [備考] EUの規範パワーの持続可能性に関する実証研究

    • URL

      https://sites.google.com/view/npe2017/

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公開日: 2021-12-27  

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