研究実績の概要 |
課題1(誘惑に対するセルフコントロールの限界とそれに伴う心的疲労を考慮した新しい消費者行動モデルを構築する)では、新型コロナ感染症蔓延下において心的ストレスが人々の行動に与える影響を調べる2つの研究を行った。第一に、新型コロナ感染症蔓延下におけるリスク態度の変化を明らかにしたIkeda, Yamamura, Tsutsui (2023)を出版した。第二に、康明 逸氏と共同で行ったアンケート調査(「社会的幸福と生活感についてのインターネットトラッキング調査」)を使って、新型コロナ感染症の蔓延と緊急事態宣言 の発令によるストレスの影響を調べるデータ解析を進めた。
課題2(消費者がセルフコントロール問題に直面する場合のマクロ経済の動学的一般均衡の特性を明らかにする)については、先年出版したIkeda and Ojima (2021, Economic Thaory)を発展させて、セルフコントロールと自制疲労 の動学的な相互作用から消費の循環行動が生じるメカニズムを記述するモデルを構築し、その解析結果を論文の形にまとめた。現在、序論部分を推敲したのち投稿する段階にある。 この研究に関連して、小島氏が新コロナ感染症の感染循環を説明するモデルを開発した。
課題3(セルフコントロールの限界に関連した政策問題を考察する)では、不正行動とセルフコントロールの関するウエブ実験の論文小島・池田(2022)「不正行動とコミットメント」の理論部分をさらに発展させ、英語論文の形に纏める作業を進めた。
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