健康データと医療費削減余地に関する研究

2019 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 17H02509
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 縄田 和満 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (00218067)
• 研究分担者: 中村 良太 一橋大学, 社会科学高等研究院, 准教授 (00717209) ; 関沢 洋一 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 上席研究員 (60444098) ; 松本 章邦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (80579714)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 経済統計学 / 計量経済学 / 医療データ / 大規模個票データ / 医療経済学分析

研究実績の概要

本研究では、いくつかの健康保険組合から提供された健康診断とレセプトのビッグデータを分析することにより、経済学・医学・データサイエンスの各分野から総合的に生活習慣病の予防など医療資源の効率的利用や持続可能な医療保険に関する政策提言を行い、研究業績リストに示すような重要な成果を得ることができた。
具体的には 、生活習慣病のうち、特に糖尿病と血圧に関する分析を重点的に行った。糖尿病は代表的な生活習慣病とされており、世界保健機関（ＷＨＯ）では、糖尿病が世界中で取り組む必要のある公衆健康上の最も重要な問題の一つであるとしている。通常、血糖濃度は一定範囲内に調節されているが、この調節機構が何らかの原因で正常に作動しなくなることにより血糖濃度をコントロールできなくなり、糖尿病になる。また、糖尿病は多くの合併症の原因となる。当研究グループでは、糖尿病が腎不全・人工透析に影響する重要な要因であること、心臓病になる確率を大きく高めること、糖尿病の場合、分析対象とした他の生活習慣病より医療費が高くなることを分析、指摘している。これらのデータにより、糖尿病の予防が、医療費の削減に効果的であるという提言を行った。
さらに、当研究グループでは血圧の健康状態への影響についての分析を行った。2017年11月に米国心臓病学会、米国心臓協会などが、高血圧に関する新ガイドラインを発表した。新ガイドラインでは、高血圧症の基準値は収縮期血圧／拡張期血圧が１３０／80ミリＨｇとされた。当研究グループで血圧に関しての分析を行った。これまでの基準では全体の22.８％が高血圧症となる。一方、新ガイドライン基準では51.２％と半数を超える対象者が高血圧症となってしまい、影響が非常に大きいことが分かる。当研究グループでは、血圧の医療費や心臓病に関する影響を分析したが、２０１７ガイドラインを支持しないという結果を得た。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] Reforms for financial protection schemes towards universal health coverage, Senegal (2020)
  • 著者名/発表者名: Bocar Mamadou Daff a, Serigne Diouf a, Elhadji Sala Madior Diop a, Yukichi Mano b, Ryota Nakamura c, Mouhamed Mahi Sy a, Makoto Tobe d, Shotaro Togawa d, Mor Ngom
  • 雑誌名: Bulletin of the World Health Organization 巻: 98 ページ: 100-108
  • DOI: http://dx.doi.org/10.2471/BLT.19.239665
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Effects of a sugar-sweetened beverage tax on prices and affordability of soft drinks in Chile: A time series analysis (2020)
  • 著者名/発表者名: Cristobal Cuadradoa, Jocelyn Dunstana, Nicolas Silva-Illanesa, Andrew J. Mirelmanb,
  • 雑誌名: Social Science & Medicine 巻: 245 ページ: 1
  • DOI: https://doi.org/10.1016/j.socscimed.2019.112708
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Prevention of non-communicable disease: best buys, wasted buys, and contestable buys (2020)
  • 著者名/発表者名: Wanrudee Isaranuwatchai,Yot Teerawattananon, Nakamura Ryota
  • 雑誌名: The BMJ 巻: 368-m141 ページ: 1
  • DOI: https://doi.org/10.1136/bmj.m141
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] An Exploration and Confirmation of the Factors Influencing Adoption of IoT-Based Wearable Fitness Trackers, (2019)
  • 著者名/発表者名: Kao Y.S., Nawata, K., C. Y. Huang,
  • 雑誌名: International Journal of Environmental Research and Public Health 巻: 16（18） ページ: 3227
  • DOI: https://doi.org/10.3390/ijerph16183227
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Systemic Functions Evaluation based Technological Innovation System for the Sustainability of IoT in the Manufacturing Industry, (2019)
  • 著者名/発表者名: Kao Y.S., Nawata, K., C. Y. Huang
  • 雑誌名: Sustainability, 巻: 11 ページ: 2342
  • DOI: https://doi.org/10.3390/su11082342
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] An analysis of the effects of blood pressure and antihypertensive drugs on heart disease, (2019)
  • 著者名/発表者名: Nawata, K., Sugano, H., and Kimura, M.
  • 雑誌名: Health 巻: 11 ページ: 792-816
  • DOI: https://doi.org/10.4236/health.2019.116064
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Ad-TSNE Visualizing High Dimensional Data Based On Adversarial Neural Networks (2019)
  • 著者名/発表者名: He H., K. Nawata
  • 雑誌名: International Core Journal of Engineering 巻: 5-3 ページ: 42-51
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Probabilistic Regression and Missing Values Compensation for P2P Lending (2019)
  • 著者名/発表者名: He H., K. Nawata
  • 雑誌名: Advances in Economics, Business and Management Research 巻: 91 ページ: 571-575
  • DOI: https://doi.org/10.2991/edmi-19.2019.96
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Evaluating the Performance of Systemic Innovation Problems of the IoT in Manufacturing Industries by Novel MCDM Methods, (2019)
  • 著者名/発表者名: Kao Y.S., Nawata, K., C. Y. Huang
  • 雑誌名: Sustainability 巻: 11(18) ページ: 4970
  • DOI: https://doi.org/10.3390/su11184970
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Landscape analysis of health technology assessment (HTA): systems and practices in Asia. (2019)
  • 著者名/発表者名: Teerawattananon Y, Rattanavipapong W, Lin LW, Dabak SV, Gibbons B, Isaranuwatchai W, Toh KY, Cher BP, Pearce F, Bayani DBS, Nakamura R, Pwu RF, Shafie AA, Adhikari D, Prinja S, Babidge W
  • 雑誌名: International Journal of Technology Assessment in Health Care 巻: 35(6) ページ: 416-421
  • DOI: 10.1017/S0266462319000667
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] The educational gap in tar and nicotine content in purchases of cigarettes: An observational study using large-scale representative survey data from Japan (2019)
  • 著者名/発表者名: Ying Yao, Ryota Nakamura, Nazmi Sari
  • 雑誌名: Preventive Medicine 巻: 129 ページ: 1
  • DOI: https://doi.org/10.1016/j.ypmed.2019.105828
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] Power transformation tobit model による健康診断・レセプトデータを使った医療費と生活習慣病の関連の分析 (2019)
  • 著者名/発表者名: 縄田 和満, 森野 雄貴, 木村 もりよ
  • 雑誌名: RIETI Discussion Paper Series 巻: 19-J-025 ページ: 1
  • DOI: https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/19j025.pdf
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] 健康診断・レセプトデータを用いた血圧と医療費の関連に関する分析 (2019)
  • 著者名/発表者名: 縄田 和満, 松本章邦, 木村 もりよ
  • 雑誌名: RIETI Discussion Paper Series 巻: 19-J-031 ページ: 1
  • DOI: https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/19j031.pdf
  • オープンアクセス
• [学会発表] 健康診断・レセプトデータを用いた血圧と医療費の関連に関する分析 (2019)
  • 著者名/発表者名: 縄田和満、松本章邦、木村もりよ
  • 学会等名: 一般社団法人日本経済学会 2019年度秋季大会
• [備考] RIETI 独立行政法人経済産業研究所
  • URL: https://www.rieti.go.jp/users/nawata-kazumitsu/