研究課題
令和2年度は、コロナウィルス(COVID19)の全世界的な流行という予期せざる事態に遭遇し、本研究課題を構成する各メンバーはそれぞれの所属校において対応に追われたほか、感染防止のため出張自粛を要請されるなど、研究条件が著しく制約され、当初の計画を予定通り進めることができなかった。このような状況下で研究を進めることは非常に困難であったが、理論面と実証面で次のような成果を得た。理論面では、経済発展の過程で男女の教育ギャップが逆転する傾向があることを、男女の肉体的能力と子育て負担の差異の存在により説明する研究を行い、関西労働研究会で発表した。また、これまで、人的資本と物的資本に加えて国際間の技術水準の格差を考慮に入れた成長モデルを構築することにより、人的資本蓄積が経済成長において果たす役割を理論・実証の両面から分析してきたが、令和2年度には、査読者よりの詳細なコメントを受け、理論モデルおよび計量分析の修正作業を行い、アジア経済の発展過程においては、人的資本と物的資本の間に強い補完性が存在していたことを示すことに成功した。本研究は、国際学術誌 Asian Development Reviewへの掲載が決定している。実証面では、企業パネルデータを利用して、物的資本、無形資本、人的資本への投資行動と内部・外部資金調達の関係を推定し、近年の日本の設備投資低迷の要因を探る分析を行った。分析結果は論文としてまとめ、現在改訂中である。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Asian Development Review
巻: 近刊 ページ: 近刊
KIER DISCUSSION PAPER SERIES, KYOTO INSTITUTE OF ECONOMIC RESEARCH
巻: 1043 ページ: 1-38
日本労働研究雑誌
巻: 717 ページ: 1-5