研究実績の概要 |
今年度は特許書誌情報の電子化及びクリーニングを行った。まず、戦前において書誌情報が完全な状態で現存している時点から現代にかけての、5年おきの特許書誌情報について、全ての情報の電子化が完了した。これによって、まず特許書誌情報の5年おきのデータベースが完成した。並行して、前年度に既に電子化が完了したデータについて、クリーニング作業を開始した。特に住所情報のクリーニングについては、現代の住所情報およびGISデータとマッチさせる作業を中心的に行った。これらの作業の進捗について、研究会を開催し、そこで報告することで、今後整備されたデータベースを用いて行うことが可能な研究についての議論を行った。
また、並行して、近年の特許における共同研究関係の地理的集積についての検証を行い、共同研究関係が、研究活動を行う事業所の地理的集積を考慮した上でもさらに地理的に集積していることを示した(Inoue, Nakajima, and Saito, 2019)。また、近年の特許データを用いて、高速鉄道整備が沿線のイノベーション活動に与える影響について、特に知識波及の促進の観点から行った研究(Inoue, Nakajima, and Saito, 2017, RIETI Discussion Paper)を進展させ、各所で報告を行った。
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