研究課題/領域番号 |
17H02521
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
渋澤 博幸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70291416)
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研究分担者 |
徳永 澄憲 麗澤大学, 経済学部, 特任教授 (10150624)
杉木 直 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30322019)
松尾 幸二郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50634226)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自然災害リスク / 経済被害 / 空間経済モデル / 都市交通モデル / 事例調査 |
研究実績の概要 |
本年度は、広域地域の自然災害の経済被害の推計やシミュレーションによる実証分析に重みを置いて実施した。近年、広域的に同時多発的な洪水被害が生じているため、被害や復旧状況等について調査を行った。 北海道、四国、九州、大都市圏など広域地域を対象とした市町村間産業連関表を推計した。市町村数の増加に伴い、データサイズが大きくなったため、計算機を購入することで対応し、推計を行った。この市町村間産業連関表を用いて、交通輸送ネットワークを考慮した動学地域間産業連関モデルを構築した。 北海道については、巨大地震による沿岸地域の津波リスクと火山噴火のリスクに関する経済被害と復旧過程についてシミュレーション分析を行った。四国地域については、南海トラフ大地震の津波リスクと原発周辺地域のリスクに関する経済被害と復旧過程について、シミュレーション分析を行った。九州地域については、筑後川流域の洪水リスクに関する経済被害と熊本・大分地震の観光経済被害について分析を行った。 近年、洪水被害が同時期に多発しており、大きな経済被害をもたらしている。この現状を踏まえて、愛知県の豊川と矢作川流域を対象として、複合的な洪水被害の分析を進めている。また、交通遮断によるサプライチェーンの寸断が広域的な経済活動に及ぼす影響を評価する方法を検討した。分析対象エリアが広域化しており、データサイズが拡大している。生産部門の動学・空間的な影響をGISの機能を用いてビジュアル化する方法を検討した。 また、人口減少化における気候変動が地域経済のもたらす影響や世帯構成や経路選択を考慮した津波避難シミュレーションの研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画どおり進んでいる。都道府県を跨ぐ広域的な地域を対象として、市町村間産業連関表の推計を行い、動学空間経済のシミュレーションモデルを構築し分析を行い、おおむね良好な結果が得られている。津波リスクと火山噴火リスクの複合被災、津波リスクと原発リスクの複合被災、複数の河川の洪水の複合被災の影響を分析した。これらの成果について、学会で報告を行った。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進んでいることから、今後も計画通り進める予定である。今後は、全国の市区町村を対象とした、地域間産業連関表の推計と動学空間経済モデルの開発を行う。データの大規模化から現在の計算機性能では不十分であり、新たに計算機を導入して、研究を進める予定である。
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