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2017 年度 実績報告書

介護保険制度の政策評価-レセプトデータによる介護サービスの効果・効率性の分析-

研究課題

研究課題/領域番号 17H02540
研究機関日本大学

研究代表者

中村 二朗  日本大学, 総合科学研究所, 教授 (30127112)

研究分担者 斎藤 安彦  日本大学, 総合科学研究所, 教授 (00277485)
菅原 慎矢  東京理科大学, 経営学部ビジネスエコノミクス学科, 講師 (30711379)
宮澤 健介  九州大学, 経済学研究院, 准教授 (80609826)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード介護保険 / レセプトデータ / EPA介護福祉士
研究実績の概要

昨年度は、計画の1年目ということもあり、各分析の準備作業を主に行うこととしていた。研究のための作業内容は主に以下の4点である。
ドレスデン工科大学のAlexander Karmann教授、同大学大学院生のCornelius Plaul氏との共同研究を行い、ともに公的介護保険制度によって高齢化政策を展開している日本とドイツの比較研究を行った。具体的には、日本の特別養護老人ホームとドイツの老人ホームについて、利用率や利用額に対してどのような要素が影響を与えており、特に二国間でどのような要素が類似・相違しているのかを検証するための作業を行った。
介護の予防効果を分析するために、全国版と福岡市の介護保険データを整備した。全国版については、厚生労働省より介護サービス施設・事業所提供と共に提供を受け分析作業が進められるようなデータベースを構築している。福岡市については、担当者から2016年までの介護保険のデータのコピーを入手した。このデータは介護認定審査の詳細なデータも含まれている。データを使用するに当たり、まず学内の倫理審査を申請し、承認を受けた。データを連結するためのIDとして被保険者番号がデータに含まれているため、被保険者番号を乱数に置き換える作業を行った。これらの作業により、個票データを用いた分析が可能となる。
EPAによる介護福祉士候補者の人材育成の実態等を分析するために、介護福祉士候補者に関するデータベースの構築を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ドレスデン工科大学のAlexander Karmann教授との日独の共同研究による日独比較による分析の結果、ドイツにおいては介護保険以外の要素として生活保護の割合が高く、これが施設・利用者双方のモラルハザードをもたらしているという結論が示唆された。該当結果に関しては、2018年のEuropean Health Economic Association Meeting(オランダ、マーストリヒト)での発表が採択されるという成果を得た。この学会では、菅原とKarmann教授を中心に組織した、日独韓蘭4ケ国の研究者による介護保険に関する企画セッションが採択された。この分析作業については、概ね順調に進んでいる。
介護予防等の効果に関する分析については、データベースの整備が一段落し、今後の分析作業を順調に行うための環境を整えた。データの性質上、各大学での倫理委員会等の審査を受ける必要が生じるが、この作業も終了しつつあり、概ね予想通りの進捗状況である。
EPAの海保福祉士候補者に関する人材育成の分析についても、データベースの作成がほぼ完成し、今後分析を進める環境が整いつつあり、順調な進捗状況といえる。

今後の研究の推進方策

それぞれの分析作業において、想定内の進捗状況であり、今後も当初の予定通りに研究を推進する。
また、新たな作業として要介護度についての再定義を試みるとともに、新規に定義された要介護度に基づく多相生命表を2000年から2016年までのデータを用いて作成することを試みる。
日独共同研究については該当研究を英語論文として仕上げ、学術雑誌に投稿すべく準備を行っている。今後は、介護サービスの消費者選択モデルの分析を中心に行う予定である。本研究に必要な介護レセプトなどのデータは2017年度に取得済みであり、また関連する学内倫理委員会審査も通過しているため、今年度の早い時期に着手できるものと予想される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effect of BMI on active life expectancy among older adults in Japan.2017

    • 著者名/発表者名
      Saito Y, Sugawara-Minagawa Y.
    • 学会等名
      IAGG 2017 World Congress
    • 国際学会

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公開日: 2018-12-17  

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