研究課題
令和元年(2019年)度は、本プロジェクト最終年度として、メンバー全員が各自の研究を完成し、それらの研究が小川(研究代表者)を中心に統括される形で世界金融危機後のグローバル金融規制・危機管理の研究が完結した。具体的には、まず、世界金融危機後の金融機関や投資家、企業の金融活動及び金融市場の構造的変化を考慮に入れた経済・市場動向をマクロ分析した。特に、小川は2010年代後半の米国での金利の上昇やグローバルなリスク回避意欲の高まりが新興市場諸国の資本移動に与えた影響を解明し、中村はマイナス名目金利動向を動学的な一般均衡モデルで分析し、高見沢は確率的ボラティリティ下での金利の期間構造の無裁定動向を検証した。次に、経済・市場の構造的変化が企業の金融行動に与えた影響をミクロ(産業、企業)の視点から考察した。特に、花崎は2010年代の日本企業における人的資源の多様化動向が企業・産業の金融行動に与えた影響を障害者雇用の変遷に注目して実証し、安田は2010年代の経済政策の不確実性が日本企業の投資・現金保有行動に与えた影響を実証した。また、小林、高岡はこれらの分析の基礎研究となる数理分析で大きな貢献をした。小川を中心にこれら全ての研究が統括され、ミクロ分析とマクロ分析が有機的に融合する形で本プロジェクトが完結した。この研究成果は学会発表や学術誌への投稿・発刊を通じて国際的に広く社会に発信された。なお、研究拠点である一橋大学において2020年3月16日に国際研究集会を開催し、共同研究等で関連した海外研究者を4名招聘しながら、参加メンバー全員で研究発表・討論を行い最終的に政策提言を行う予定であった。しかし、COVID-19問題が発生し3月初めになって同研究集会を止む無く急遽中止することとなった。そこで同研究集会開催のための科研費支出予定額を返還したものの、研究活動自体は予定通り完結した。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 2件、 オープンアクセス 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)
Public Policy Review
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