研究実績の概要 |
研究代表者の黒澤は,海外研究協力者のB.ウプス,N.フォーブスとともに,共編者として,本科研の内容を主題とする専門学術書,International Business and Organizational Innovation: From Total War to Cold War(Routledge社, 国際経営史研究シリーズ)の編集作業を進めた。同書についてはすでに2016年10月に出版契約書に署名し,各章編者の原稿の督促・精査,全体企画に合わせたレビューコメントの送付等を行った。内容本位の審査の結果,一部の著者に入れ替えが生じ,現在の構成は,0) Kurosawa, Forbes & Wubs, 1. Kurosawa & Wubs, 2)Izawa, 3) Spoerer, 4) Kikkawa, 5) Segreto, 6) Forbes, 7) Stokes, 8). Klement, 9) Boon, 10) Buchelliの10章となっている。 分担社の橘川は,その単著(2014)の内容を国外の研究・文脈を踏まえ改稿し上記英文書収録論文とした。これは,日本石油,東亜燃料工業,出光興産,Standard Vacuum, Royal Dutch Shell, Caltexに関する実証研究を踏まえたもので,実施年度における研究成果を盛り込んでいる。 分担者のドンゼは,ネスレの日本での事業活動の研究(2014)を踏まえ分析を戦後に拡張,Hershey(米),味の素(日)を新たに調査対象に加え,研究史把握,スイスでの史料館調査,公刊文献調査を実施した。 上記と並行して,非市場リスクの一種である税制と多国籍企業の関係に焦点をあてたセシッションをBostonで開催されるWEHC (世界経済史会議)に設置しており,その実施に向けた準備を行った。
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