研究課題/領域番号 |
17H02568
|
研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
富野 貴弘 明治大学, 商学部, 専任教授 (90366899)
|
研究分担者 |
新宅 純二郎 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00216219)
藤本 隆宏 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (90229047)
永島 正康 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 教授 (20745202)
中道 一心 同志社大学, 商学部, 准教授 (60512001)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | サプライチェーンマネジメント |
研究実績の概要 |
平成29年度は研究初年度ということで、第1にグローバルSCMとECM研究に関連する先行研究の整理と資料集を行った。 第 2に、製造企業の上記の実態把握を行うため、企業調査を国内外で実施した。具体的には、10月にパナソニック(上海・厦門)、12月に本田技研工業(日本本社)、3月に本田技研工業(イギリス・欧州本部)、パナソニック(滋賀県南草津)を訪問した。自動車メーカーの方を交えたミーティングも東京大学ものづくり経営研究センターにて2018年2月に実施した。これらの調査から、我々の当初の仮説どおり、近年グローバルに拡大しつつある部品調達状況が調達リードタイムの長期化を促し、そのことが需要変動に応じたフレキシブルな完成品生産を難しくしているという現実が概ね確認できた。これは本研究が対象としている自動車産業、家電産業、アパレル産業に共通した傾向であった。つまり各企業は今日、現地市場立地・最適生産立地混合型のグローバルネットワーク構築の壁に直面しているのである。2000年頃まで、日本の製造企業は生産コストを重視したグローバル最適生産分業(地産地消化)を積極的に展開していたが、リードタイム基準を重視すると現在では必ずしも最適なグローバル生産ネットワーク構造にはなっていないという構造が浮かび上がってきた。今後は、こうしたネジれ現象に対して、各企業がどのように対処しようとしているのかの解明にあたる。 第3に、各研究者が著作・論文・国内外の学会発表を通じて上記の研究成果の対外発信を逐次行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者である富野が急遽、勤務先の学内役職業務(学部教務主任)に従事することになり、自身の研究遂行が少し遅れてしまった。しかしながら、研究分担者のサポートもあり最小限の遅れで済ますことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、昨年度に引き続きフィールドリサーチを行い、企業のグローバルSCMとECMの実態についての情報を収集する。研究者が集まるミーティングも定期的に行なう予定である。6月に行われる2018EurOMA Conferenceでの研究発表も予定している(富野・新宅・永島が参加予定)。
|