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2019 年度 実績報告書

グローバル市場に適応するためのエンジニアリングおよびサプライチェーンに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17H02568
研究機関明治大学

研究代表者

富野 貴弘  明治大学, 商学部, 専任教授 (90366899)

研究分担者 新宅 純二郎  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (00216219)
永島 正康  立命館大学, 経営学部, 教授 (20745202)
中道 一心  同志社大学, 商学部, 准教授 (60512001)
藤本 隆宏  東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (90229047)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードグローバルサプライチェーンマネジメント
研究実績の概要

本年度は、昨年度に引き続き研究フィールド調査と研究結果の発表を実施した。
調査は主にアパレル産業を重点的に行った。またアパレル産業のエンジニアリングおよびサプライチェーンにおいては、上流工程であるテキスタイル(生地)の生産にボトルネックがあると推察していたため、その確認のため、5月に倉敷紡績株式会社(安城工場)を訪問した。6月には、アパレルOEM・ODMの株式会社丸久の東京支社を訪問し、アパレルのものづくりの開発生産連携に関する調査を行った。10月には、日本のアパレル企業大手の株式会社アダストリアを訪問し、同社のビジネスモデルに関するインタビュー調査を実施した。アダストリアは、ポーター賞をとった2009年前後にはすでに、商社経由のビジネスの限界、ZARA・H&M等のファストファッションの猛攻で危機感を持ってたことが分かった。そこで、業績悪化の痛みを伴いながらも数年かけてSPA化を図り、そのなかでマルチブランド経営に伴って生じる様々な障壁(在庫管理の複雑化、各ブランドの個性追求によるコスト増など)を、閑散期・期中・QRの柔軟な生販管理組み合わせ、可能な限りの生地の共通化などを通じて克服し競争力へと結びつけていることが確認できた。年明け2月にもアダストリアへの追加インタビューを実施し、今後の研究協力への約束も取り付けており、これを発展させて次の科研費研究にも繋げる展望を持つことができた。
研究実績は、研究メンバーそれぞれが、学会発表(日本経営学会、産業学会、経営史学会、EurOMA2019、 International Symposium on Operations Management and Strategy 2019)、論文・報告書執筆等を通じて数多く発信することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年内は概ね順調に進んでいたが、周知のように年明けに発生した新型コロナウイルスの世界的流行により、年明け2月3月の学期春休み中に予定していた国内・海外調査、研究会が全て中止になった。その影響で、若干の研究遅延が生じ始めている。
ただし、そのことを含めても、2019年度は予定していた調査や実績発表などはほぼ実現できたため、総体的には概ね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

「研究の進捗状況」にも述べたように、2020年年明けに発生した新型コロナウイルスの世界的流行により、2020年度は少なくとも夏休み頃までの企業調査や学会発表ができない可能性が高い。すでに6月に発表予定であったEurOMA2020(イギリス)での発表が中止になった。ただし、発表のフルペーパーはすでに提出してあるため、それをベースに最終成果に結びつけていく予定である。
いずれにせよ、本年度は4年間の研究の最終年度にあたる。したがって、これまで蓄積してきた研究調査結果の最終とりまとめ作業を行う予定である。そのために、研究メンバー全員が集まるミーティングの回数を増やす。なお新型コロナウイルスによる影響を見ながら、主にオンラインでのミーティング開催を想定している。同時に、不足している研究データを補うための企業調査も、コロナウイルスの終息状況をみながら適宜行う。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 市場縮小期における中核企業の市場適応とサプライチェーンに与える影響―デジタルスチルカメラの事例―2020

    • 著者名/発表者名
      中道一心
    • 雑誌名

      同志社商学

      巻: 71(5) ページ: 281~309

  • [雑誌論文] 折込チラシの流通におけるタイミング・コントローラー2020

    • 著者名/発表者名
      中道一心
    • 雑誌名

      同志社商学

      巻: 71(6) ページ: 289~309

  • [雑誌論文] タイミング・コントローラーの産業間比較2019

    • 著者名/発表者名
      中道一心、岡本博公
    • 雑誌名

      産業学会研究年報

      巻: 34 ページ: 49~67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 良いイノベーション研究について2019

    • 著者名/発表者名
      藤本隆宏
    • 雑誌名

      組織科学

      巻: 52 ページ: 30~37

    • DOI

      https://doi.org/10.11207/soshikikagaku.52.4_30

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] デジタル化時代のものづくり―白書への期待2019

    • 著者名/発表者名
      藤本隆宏
    • 雑誌名

      ものづくり白書2019

      巻: 2019 ページ: 202~204

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 社会科学における現場概念と現場史の可能性2019

    • 著者名/発表者名
      藤本隆宏
    • 雑誌名

      赤門マネジメント・レビュー

      巻: 18 ページ: 171~202

    • DOI

      https://doi.org/10.14955/amr.0190416a

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Frugal innovation and design changes expanding the cost-performance frontier: A Schumpeterian approach2019

    • 著者名/発表者名
      Lim Chaisung、Fujimoto Takahiro
    • 雑誌名

      Research Policy

      巻: 48 ページ: 1016~1029

    • DOI

      https://doi.org/10.1016/j.respol.2018.10.014

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 絶え間ない事業システムの組み替え―デジタルスチルカメラ2019

    • 著者名/発表者名
      中道一心
    • 学会等名
      経営史学会第55回全国大会
  • [学会発表] デジタルカメラ産業の盛衰と企業戦略2019

    • 著者名/発表者名
      中道一心
    • 学会等名
      産業学会中部部会
  • [学会発表] 日本自動車メーカーのグローバル・サプライチェーンマネジメントの現状と課題2019

    • 著者名/発表者名
      富野貴弘
    • 学会等名
      日本経営学会関東部会例会
  • [学会発表] Uncertainty of natural materials and various aspects of the supply chain: Case study of two automobile parts manufacturing companies in Japan2019

    • 著者名/発表者名
      西村智子、富野貴弘、永島正康
    • 学会等名
      26th EurOMA Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Sustenance of Collaborative Relationships2019

    • 著者名/発表者名
      永島正康
    • 学会等名
      The 9th International Symposium on Operations Management and Strategy
    • 国際学会
  • [図書] 東アジア優位産業(第14章担当)2020

    • 著者名/発表者名
      塩地 洋、田中 彰編著(分担執筆:中道一心)
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      中央経済社
    • ISBN
      978-4-502-33511-2

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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