研究課題/領域番号 |
17H02585
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大石 亜希子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (20415821)
|
研究分担者 |
松田 茂樹 中京大学, 現代社会学部, 教授 (00706799)
西村 智 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10351727)
高橋 美惠子 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (90324871)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ワーク・ライフ・バランス / 非典型時間帯就労 / 家族 / ウェルビーイング / 子ども |
研究実績の概要 |
本研究は、非典型時間帯就労の実態把握と国際比較を行うとともに、非典型時間帯就労が人々のワーク・ライフ・バランスの実現とどのような関係にあるかを多面的に分析することを目的としている。まず、学問分野によって異なっているワーク・ライフ・バランス(WLB)概念を整理・再検討するため、2018年2月に経済学・社会学・法学・産業保健学の研究者からなるシンポジウムを千葉大学にて開催した。このシンポジウムの成果は、学術雑誌の特集号として刊行される。つぎに、日本における非典型時間帯就労の実態を把握するため、複数のデータセットを用いて、子どものいる世帯に着目した分析を開始した。家族類型との関係では、シングルマザーは二親世帯の母親よりも非典型時間帯就労に従事する傾向にあり、また、その動機として経済的理由の重要性と子どもの教育に対する志向の違いがあることが明らかにされた(Oishi 2017, 大石 2018)。さらに、日本人口学会大会(2017年6月)で国際セッションを設け、働き方と人々のウェルビーイングやカップル形成、出生意欲等に及ぼす影響についてメンバー全員が報告した。また、親の非典型時間帯就労が子どものアウトカムに及ぼす影響については、海外研究者と協調し、2017年10月にベルリンで行われた会議において、各国データの比較可能性について議論したうえで、国際研究ネットワークGRNCE(Global Research Network on Children in the 24/7 Economy)を発足させた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題との関連において、国内学会で5件、国際学会で2件の研究報告を行ったほか、英文書籍の分担執筆2件、和文書籍の分担執筆1件、雑誌論文4報を刊行した。海外研究者とのネットワークも発足させている。また、海外ヒアリング調査も実施した。
|
今後の研究の推進方策 |
「ワーク・ライフ・バランス」の概念についての学際的シンポジウムを踏まえて、その成果を学術雑誌の特集にとりまとめる。また、非典型時間帯就労の実態把握と国際比較については、総務省「社会生活基本調査」の個票も用いて分析を行う。非典型時間帯就労と幸福度、生活満足度、健康との関係、および、非典型時間帯就労がカップル形成、夫婦・親子関係に及ぼす影響については、複数のデータセットを用いた研究成果を国際学会で報告する。親の非典型時間帯就労が子どものアウトカムに与える影響についても、国内のデータセットを用いた研究を進め、国際学会で報告を行う。
|
備考 |
・松田茂樹「アジアで進行する少子化の特徴と背景要因」、『公開セミナー:アジアにおける少子化・教育・雇用の関連―日本・韓国・シンガポールの比較研究』慶應義塾大学、2017年7月22日. ・高橋美恵子「北欧の自由なライフスタイル―スウェーデンの日常」,『国際女性デー 記念講演会』平成29年度芦屋市男女共同参画センター事業, 2018年3月10日.
|