研究課題/領域番号 |
17H02617
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
堀 正嗣 熊本学園大学, 社会福祉学部, 教授 (60341583)
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研究分担者 |
鳥海 直美 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (00388688)
吉池 毅志 大阪人間科学大学, 人間科学部, 准教授 (60351706)
久佐賀 眞理 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (10312167)
農野 寛治 大阪大谷大学, 人間社会学部, 教授 (30300338)
栄留 里美 大分大学, 福祉健康科学部, 助教 (60708949)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | アドボカシー / 権利擁護 / 意見表明支援 / 虐待防止 / 意思決定支援 |
研究実績の概要 |
障害児施設は平成29年4月から8月、障害者施設は平成29年9月から平成30年3月を訪問アドボカシーの準備期間とし、研究者と研究協力者(施設長・施設職員・アドボケイト候補者・アドボケイト派遣団体代表者)から構成される研究会(毎月1回)を開催し、日本版RVAの実践方法を具体的に検討した。また、協力の得られた障害児者入所施設において、障害児者の権利の理解を促すことを目的とするワークショップ(職員対象・利用者対象)を実施した。併せて、研究者及びアドボケイト候補者が、利用者・職員とのラポール形成や実践現場の理解等を目的とする定期訪問を行った。 障害児施設は平成29年9月から平成30年3月まで、障害者施設は平成30年1月から3月まで、週1回・2時間程度、2名のアドボケイト(研究者または研究協力者)が施設を訪問し、施設利用者のアドボカシー実践に取り組んだ。具体的には、施設職員から任命されたアドボカシー推進員との連絡調整によってアドボケイトが施設を訪問し、①障害児者の権利に関するモニタリング・②遊びやコミュニケーションによるラポール形成、③利用者の意見/思いの傾聴等を行った。併行して、研究者とアドボケイトによる事例検討会(毎月1回)によってスーパービジョンの手法を開発した。これらの訪問アドボカシーにかかわる実践内容を評価し、修正を加えるための研究会(毎月1回)を開催した。 障害児施設において、研究者・施設長・アドボカシー推進員・利用者代表・派遣団体代表者・アドボケイトから構成されるシステム研究会において、虐待防止を含めた権利擁護の促進状況の評価、ケアの改善課題の検討と対処方法の提案、研究活動の評価を行った。また、公開型の報告会(3月)を開催し、研究者・実践者・市民等の参画を得て実践の検証を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
障害児施設においては、当初の予定通り、計画が進捗しアドボカシー実践と研究会を繰り返しながらアクションリサーチを行っている。障害者施設においては、障害者団体との協議や障害児施設における実践の検証を通して、慎重に準備を行ったため、アドボカシー実戦の開始が遅れたが、1月の実践開始後は順調に進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
障害児者施設共にアドボカシー実践と研究会による検証が定期的に実施できる状況であり、これを継続していくことが必要である。実践と記録の進化・発展のためにエピソード記述を取り入れることとし、5月に研究会を行った。また虐待防止に向けてのアドボカシー活動のあり方を、先進事例や実践者に学ぶ研究会を準備している。アドボケイトの確保が求められるため、養成講座を開催する予定である。
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