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2020 年度 実績報告書

子どもの言語学習における”人”

研究課題

研究課題/領域番号 17H02631
研究機関東京大学

研究代表者

針生 悦子  東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70276004)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワード言語発達 / 方言 / 乳児 / 所属集団 / 人間関係の認知
研究実績の概要

人の話す言語は,その人がどのような社会集団(出身地,国など)に属するかを知る手がかりとなる。これまでの研究でも,乳児や幼児が既に,自分がふだん聞きなれたネイティブアクセントの話者を外国語なまりの話者より好み(Kinzler et al., 2007, 2009),第三者どうしの関係を予測するさいにも,同じ言語を話す者どうしは友好的であるが,異なる言語の話者どうしは敵対的であると見なしていること(Liberman et al., 2017)が見いだされている。
本年度の研究では,Libermanら(2017)の知見を踏まえ,異なる方言話者どうしの関係を乳児はどのようにみているかを検討した。具体的には,東京在住の(標準語環境で育つ)10~12か月児を対象として,彼らが,標準語話者と京都方言話者の関係を,標準語話者どうしの関係より敵対的なものをみなしているかを検討した。結果として,東京の乳児たちは,異なる方言の話者どうしの関係を,標準語話者どうしの関係と異なるものとは見なしていないことが示された。
Libermanら(2017)が検討したのは,リズムや音になじみがあり少なくとも部分的には理解可能な言語を話す人と,リズムも聞きなれないなら単語もわからない言語(外国語)を話す人との関係を,乳児がどうみなすかということであった。それに対して,本研究が問題にしたのは,同じ言語の中の異なる方言を話す人どうしの関係を乳児がどうみているかであって,取り上げられた“異なる方言”は,互いに理解不能なほど“違う”ものではなかった。したがって,本研究の結果は,そのようなマイルドな言語の違いは必ずしも乳児に話者どうしの分断を予想させるものでないということを示唆していると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和2年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] University of Florida(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      University of Florida
  • [雑誌論文] 音声がことばになるまでの発達2022

    • 著者名/発表者名
      針生悦子
    • 雑誌名

      小児リハビリテーション

      巻: 13 ページ: 50-61

  • [雑誌論文] Developmental changes in understanding emotion in speech in children in Japan and the United States2021

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Shinnosuke、Sudo Mioko、Matsui Tomoko、Haryu Etsuko
    • 雑誌名

      Cognitive Development

      巻: 60 ページ: 101110~101110

    • DOI

      10.1016/j.cogdev.2021.101110

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 言葉が育つ仕組み2021

    • 著者名/発表者名
      針生悦子
    • 雑誌名

      保育と保健

      巻: 27 ページ: 57-59

  • [学会発表] 子どもの発達にともなう養育者の育児語使用量の変化:10か月から24か月にかけての縦断研究より2023

    • 著者名/発表者名
      針生悦子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [学会発表] 話者に対する幼児の信頼性判断:発話態度と情報の正確さという手がかりに着目して2022

    • 著者名/発表者名
      岩立文香・針生悦子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第64回総会
  • [学会発表] 話者多様性が2歳児の語彙発達に与える影響2022

    • 著者名/発表者名
      Zhao, J. & Haryu, E.
    • 学会等名
      言語科学会第23回年次国際大会
    • 国際学会
  • [学会発表] Children’s preference for a standard accent heard on TV versus a regional accent adults are proud of2021

    • 著者名/発表者名
      Kaneshige,T., Haryu,E., Okumura,Y., & Kobayashi,T.
    • 学会等名
      The 32nd International Congress of Psychology
    • 国際学会
  • [学会発表] 家庭内における子どもの遊び(1)―親のとらえ方―2021

    • 著者名/発表者名
      北沢祐香里・岩立文香・高田悠人・針生悦子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第63回総会
  • [学会発表] 家庭内における子どもの遊び(2)―絵本読み活動の変遷―2021

    • 著者名/発表者名
      岩立文香・北沢祐香里・高田悠人・針生悦子
    • 学会等名
      日本教育心理学会第63回総会
  • [図書] ことばの育ちの認知科学2021

    • 著者名/発表者名
      針生 悦子
    • 総ページ数
      118
    • 出版者
      新曜社
    • ISBN
      9784788517202

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公開日: 2023-12-25  

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