研究課題
本研究の目的は、SONIC研究参加者に対して追跡調査を行い、感情の経時的変化に関する縦断的検討を行う。SONIC研究ではNarrow range age design に準拠した年齢幅が3歳の3年齢群(70歳、80歳、90歳)を関東・関西の都市部と田園地域において悉皆で対象者を抽出し参加を呼びかけ、公民館等を利用した招待型調査を実施してきた。本年度は、90歳群の第2波、第3波調査を行うとともに、新たなサンプルを追加データ収集を行った。また、80歳を対象とした第3波調査を行った。その結果、90歳群(89-96歳)は総計約300名、および80歳群(87歳から89歳)第3波調査約50名の追加の参加を得ることができた。調査は2018年7月から2019年3月にかけて実施した。現在収集したデータを整理中である。調査実施と並行して、これまでに収集してきたデータに関して整備が遅れていた、2015年度に実施した90歳群の第1波、第2波調査の整備を進めた。認知機能の測定において、測定してる語の流暢性に関する回答の詳細な分析が可能なように整備を進めた。分析の結果、加齢に伴って課題間の得点の相関が、高くなる現象が確認された。この現象が個人レベルで評価できれば新たな加齢のの指標として利用できる可能性がある。また、幸福感の評価に関して、現在利用している、ポジティブ感情、ネガティブ感情および人生満足感を利用して全体的な幸福感を評価する方法も開発中である。これらのデータを整備すると共に、昨年度から着手した国際共同研究を推進するためのデータセットの英語化を進めた。
2: おおむね順調に進展している
今年度は、天候が不順で予定していた調査を延期しなければならない事態が2度もあり、調査の予定が崩れた。本年度は90歳を対象とした調査を実施する年であっため、対象者の方々の安全を考慮すると仕方がなかった。ただ、新規で調査に参加された90歳の対象者の参加が予定した数よりも多かった点がポジティブな点であった。分析に関しては、70歳のデータの分析が進んでいない点がネガティブな点であった。
分析計画:今年度は遅れている70歳のデータを用いて、幸福感の上昇と身体生理的機能の関係の経年変化について分析を開始する。調査計画:本年度は、70歳群の第4波調査を行う。また、調査から脱落した参加者に関して、現在の状態に関する追跡を実施する。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (20件) (うち国際共著 5件、 査読あり 19件、 オープンアクセス 17件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 10件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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