研究課題/領域番号 |
17H02639
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 弘通 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20399231)
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研究分担者 |
太田 正義 常葉大学, 教育学部, 准教授 (10635048)
岡田 智 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10458862)
大谷 和大 北海道大学, 教育学研究院, 講師 (20609680)
大久保 智生 香川大学, 教育学部, 准教授 (30432777)
稲垣 勉 鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (30584586)
弓削 洋子 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80335827)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 思春期 / 問題行動 / 思考の発達 / 縦断調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、思春期における自尊感情の低下を引き起こす諸要因を明らかにするとともに、問題行動との関連性を明らかにすることである。 そのため令和元年度も前年度に引き続き、2中学校区の小学校2校、中学校2校、計約1400名を対象に7月と2-3月に2回の調査を行った。しかし、2019年度末より流行している新型コロナウィルス感染症により、調査協力校において学級閉鎖や活動の制限もあり、実施が遅れた学級も生じた。特に年度末は通常2月に実施していたが一部の学級においては3月に実施したところも生じた。そのため、年度内の分析が不可能となり、調査の分析・フィードバックが年度をまたぐことになった。 現時点で調査は、A中学校区で14時点、B中学校区で10時点の調査が終了したことになり、調査計画自体は順調である。また研究成果については、小学校から中学校の移行期のデータを用いて、論文化し教育心理学研究に掲載された。 ここまでの分析から、昨年度までの分析結果同様、思春期の自尊感情の低下には、思考の発達が関連している一方で、その低下が問題行動と直ちに関連するわけではなく、教師との関係のあり方次第で、問題行動とは結びつかない可能性が示唆された。 加えて、今年度は、教師の指導行動についても検討した。その結果、5年生から6年生のところで、児童の学校適応感を高める指導のタイプが変化することが分かった。したがって、思春期において、教師の指導行動を工夫することで、学校適応感を高め、過度な自尊感情の低下や問題行動の発生を予防できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和元年度の後半において、新型コロナウィルス感染症の流行により調査実施が危ぶまれる時期があったが、結果的にはすべての調査協力校において、調査は実施されており、令和2年度はほぼ予定どおり実施することができた。 また調査協力校への調査結果のフィードバックも概ね完了しており、今後の協力も約束できている。
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今後の研究の推進方策 |
今後もこれまで通り、年2回の調査を実施しつつ、当初予定していた調査計画が完了し次第、全体の分析を行っていく。具体的には、①思春期の自尊感情の低下要因についての分析、②内在的問題行動との関連性の分析、③外在的問題行動との関連性の分析、および④思春期における自尊感情の低下と問題行動の関連を抑制する方策についての分析を、研究分担者に割り振り、まとめていく予定である。
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