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2021 年度 実績報告書

思春期における自尊心の低下と内在的・外在的問題との関係

研究課題

研究課題/領域番号 17H02639
研究機関北海道大学

研究代表者

加藤 弘通  北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20399231)

研究分担者 太田 正義  常葉大学, 教育学部, 准教授 (10635048)
岡田 智  北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (10458862)
大谷 和大  北海道大学, 教育学研究院, 講師 (20609680)
大久保 智生  香川大学, 教育学部, 准教授 (30432777)
稲垣 勉  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (30584586)
弓削 洋子  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80335827)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード思春期 / 自尊感情 / 外在的問題 / 内在的問題
研究実績の概要

本研究の目的は、思春期の自尊感情の低下を引き起こす要因を明らかにするとともに、どのような自尊感情の低下が児童生徒の問題行動と結びつくのかを明らかにし、介入が必要な児童生徒への支援策を提案することであった。具体的には、小学4年生から中学3年生を対象に縦断調査を行い、思春期の自尊感情低下に係わる要因を身体・対人・認知的要因から検討し、内在的・外在的問題行動との関連を検討することであった。
研究期間内に年2回、6年間の縦断調査を行い、計12時点のデータを得た。その結果、以下のことが明らかになった。1つは、思春期の自尊感情低下に係わる要因としては、思考(具体的には批判的思考態度の発達)が関係しており、身体的な要因は関係していないことが明らかになった。つまり、思春期の自尊感情の低下は、批判的な思考が発達することによって生じている可能性が考えられた。
また問題行動との関連については、自尊感情の低下よりも、教師との関係といった対人関係の要因が強く関連していることが明らかになった。具体的には、不登校傾向と関連すると考えられる学校享受感の縦断的な変化を検討したところ、自尊感情よりも教師との関係が強く関連しており、特に小中移行期における学校適応には、短期的にも長期的にも教師との関係のあり方が影響を与えていることが明らかになった。
以上を踏まえ、思春期における自尊感情の低下は、必ずしもネガティブな現象ではないこと、その背後には思考の発達といったポジティブな変化が隠れている可能性が示唆された。加えて、問題行動への対応としては、自尊感情の向上を目指すプログラムよりも、教師の児童生徒との関係のあり方を見直すような実践の在り方が重要であることが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 一貫校と非一貫校の比較から見えてくる中学校教育の課題2022

    • 著者名/発表者名
      加藤弘通・侯月江・太田正義
    • 雑誌名

      人間と教育

      巻: 166 ページ: 66~73

  • [雑誌論文] Inter-Peer Group Status and School Bullying: The Case of Middle-School Students in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Mizuno Kumpei、Shu Yue、Ota Masayoshi、Kato Hiromichi
    • 雑誌名

      Adolescents

      巻: 2 ページ: 252~262

    • DOI

      10.3390/adolescents2020020

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 発達心理学からみた「大人でないこと」の意味2022

    • 著者名/発表者名
      加藤弘通
    • 雑誌名

      世界の児童と母性

      巻: 91 ページ: 7~10

  • [学会発表] 小中移行における学校適応過程と関連要因の検討:即時的な適応と長期的な適応を弁別して2023

    • 著者名/発表者名
      Hou Yuejiang・太田正義・加藤弘通
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [学会発表] 不登校後の生活に関する研究:「ひきこもる」ことが可能になるのはいつ頃からか?2023

    • 著者名/発表者名
      加藤弘通・木下弘基・村井史香・Hou Yuejiang
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [学会発表] いじめ被害の長期的な影響について:学年と性別による差2023

    • 著者名/発表者名
      舒悦・鈴木修斗・加藤弘通・太田正義
    • 学会等名
      日本発達心理学会第34回大会
  • [図書] 道徳教育2023

    • 著者名/発表者名
      下司 晶、山﨑 準二、高野 和子
    • 総ページ数
      248
    • 出版者
      学文社 (GAKUBUNSHA)
    • ISBN
      978-4762028410
  • [図書] 発達とは? 自己と他者/時間と空間から問う生涯発達心理学2022

    • 著者名/発表者名
      都筑 学、半澤 礼之、坂井 敬子、照井 裕子
    • 総ページ数
      296
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      978-4571206047
  • [図書] 教育問題の心理学 何のための研究か?2022

    • 著者名/発表者名
      都筑 学、加藤 弘通、岡田 有司、金子 泰之
    • 総ページ数
      312
    • 出版者
      福村出版
    • ISBN
      978-4571206054

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公開日: 2023-12-25  

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