研究課題/領域番号 |
17H02644
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
立元 真 宮崎大学, 大学院教育学研究科, 教授 (50279965)
|
研究分担者 |
柳井 優子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 心理療法士 (00727886)
前田 泰弘 長野県立大学, 健康発達学部, 教授 (10337206)
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
湯田 拓史 宮崎大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (20448161)
児玉 由紀 宮崎大学, 医学部, 教授 (30305081)
尾之上 高哉 宮崎大学, 教育学部, 准教授 (30631775)
金子 政時 宮崎大学, 医学部, 教授 (40264387)
布井 博幸 宮崎大学, 医学部, 研究員 (50218260)
鮫島 浩 宮崎大学, 医学部, 教授 (50274775)
境 泉洋 宮崎大学, 教育学部, 教授 (90399220)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | ペアレント・トレーニング / ティーチャー・トレーニング / 発達障害 / 周産期 / 思春期 / 児童期 / 乳幼児期 / 遠隔介入 |
研究実績の概要 |
32-1-1. 簡易認知機能尺度測定ツールの妥当性の検証作業 新型コロナ感染拡大のために,子どもの被験者を大学に呼び接触しての計測が困難となった。このため,新型コロナ感染の状況が落ち着くまで評価を先送りしつつ他の方法を模索することとした。 32-1-2,-3 小・中学校TTプログラム教材やプログラムの実用化に向けて改善と試行検証の作業 R.1年度までに一部試行を行ったが,R2年度は学校介入をさせてもらえるよう依頼できる状態ではなく,介入実践は停止した。中学校TTプログラム教材やプログラムの実用化に向けて改善と試行検証の作業 R.1年度までに一部試行を行ったが,R2年度は学校介入をさせてもらえるよう依頼できる状態ではなく,介入実践は停止した。 32-1-4思春期版はなまるプロジェクトPTプログラム開発と思春期の養育スキル尺度の作成, 養育スキル尺度はデータを収集済である。R1年度に「思春期版PTプログラム」の用意を整えたところで,保護者を集めて行うプログラムの介入実践が新型コロナウイルス感染拡大のために不可能となった。遠隔での介入を行えるようプログラムを大改造する作業を進めている。 32-2-1,-2.乳幼児版集団PTの定期的実践・小学生版PTの実践と普及システムの構築 小学生版PTは,学校あるいは大学での開催が現時点で困難である。「思春期版はなまるプロジェクトPTプログラム」と同様に遠隔化の方向を検討中である。乳幼児版・幼児版・お入学準備版の集団介入については,若干規模を縮小して継続できている。個別介入については大学に呼ぶことができないため,本来のプログラムを崩して電話等で臨床的対応を行っている。 32-2-3.周産期に起因する発達障害幼児・児童の生育データの蓄積 計画を引きついで作業を行えた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を大きく受けて,R1年度の計画の一部が中断され,R2年度の計画の大部分は実行不可能となった。そこで,新型コロナ感染症の拡大状況が終息あるいは状況が改善されるまでの間,仮に現在に近い感染拡大状況が続いていても介入実践が可能なように思春期のペアレント・トレーニングプログラムが遠隔施行で可能になるよう改造を加える作業を開始した。一般の保護者を対象とした遠隔施行のプログラムとなるので,スマートホンでも視聴が可能で,かつ,インターネットを介するためにできるだけネット負荷の軽い教材にするための映像面での改造を行っている。また,これまで用いてきた質問紙等もインターネット上でのやり取りが可能な形態に作りなおす必要がある。 本研究の介入プログラムは,新型コロナウイルスの感染拡大状況下において,また,感染拡大終息後のこれまでとは異なったアフターコロナの事態の中でその効力を発揮するものと考えている。そのため,現在の介入プログラムを遠隔介入が可能なものに改造し,可能なものだけでも研究計画に沿った成果を得るべく作業を進めている。 プログラムの遠隔化のためには,単にプログラム内容をインターネット上の教材にするだけでは済まない。例えば,あまりスペックが高くないパソコンやタブレット,更に環境が整わない場合にはスマートフォンでの視聴が可能なように,文言の精選,フォントの拡大,映像対象の拡大とネット上の負荷軽減が必要になる。また,これまでの介入での成果は,介入の現場でのモデリングやロールプレイ,さらには強化や修正のフィードバックをふんだんに用いた相互作用性に支えられていた。そのため,介入対象の少人数化と,オンデマンド教材との併用,細やかなチェックポイントの設定などの改造が必要となる。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画を部分的に変更して進めざるを得ない。 本年度は,最終年度にあたるので,PT集団介入再開のチャンスを伺いつつも,遠隔介入として「思春期版はなまるプロジェクトPTプログラム」の遠隔化改造の作業を終え,いくらかでも試行を行いたい。 記述のように,プログラムの遠隔化に際しては,パソコンやタブレット,スマートフォンなどのスペックが高くない機器でも視聴が可能なように,文言の精選,フォントの拡大,映像対象の拡大とネット上の負荷軽減のための作業と試行錯誤が必要になる。また,これまでのPT介入プログラムの成果は,介入の現場でのモデリングやロールプレイ,さらには強化や修正のフィードバックをふんだんに用いた相互作用性に支えられていた。そこで,介入対象の少人数化と,オンデマンド教材との併用,細やかなチェックポイントの設定といった改造が必要となり,実用可能性の検討が重要なカギとなる。 小学校TT・中学校TTのプログラムについては介入試行が困難な状況が続いているが,学校そのものは稼働している状況なので,より受け入れやすい形態を工夫しつつ試行のチャンスを伺いたい。 総じて,大きな遅れをきたしているが,これまでの研究資産を活用できる方向での作業を行っていきたい。
|